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2008年10月14日(火) フィールドワークは現場を変えるか?

最終日の最後にKさんの企画する「フィールドワークは現場を変えるか」というテーマに関するワークショップ。

何を「変化」とみなすかという問題もあるが、変わるか変わらないかといえば「調査する対象に影響を与えない」という調査の前提がfakeなのは、それこそずっと以前から議論されていたことであり、その意味では影響を与えないわけがない。

そして現場が変わると同時に、自分も変わっている。学校コンサルテーション研究をしていても、コンサルテーションをして学んでいるのは学校の先生だけではなく、それを通して私(フィールドワーカー)もまた学校の困難、歴史について「知っている」のを超えて学んでいる。お互いに変わっているのに、どうして一方が変わっているという感覚が得られるのかというのも面白い問題だ。

「誰が変えたのか」というエージェンシーの問題もある。他のWSでも話題になったが、学校に入ってみると実にたくさんの専門家が互いに知らないままに同じ学校に入って仕事をしている。学校の先生だって専門家がいうようなことは、それと知らずに試していることがある。このような状況で、学校に入っていって「(自分が)変えた」という感覚をもてたとすると、それは誇大妄想なのかもしれない。

少なくとも、生徒指導や教育相談に関わる部分に限ってみても、自分がSCとして入っている学校は(私からみて)好ましい変化をしているようにみえるけれど、そこに自分の寄与がどれほどあるのかというと「うーん」と考えこまざるをえない。

このように考えてみると「フィールドワークが現場を変えるか」という問題は「変えるか変えないか」という問題ではなく、変わったようにみえたとしたら「その変化は、いかにみてとれたのか」「どうして他でもなく自分にその変化を帰属して考えられたのか」という問題なのかもしれない。


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hideaki

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