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2008年10月11日(土) 君がいて、僕がいる

新しい本が出ました。

『スクールカウンセリングと発達支援』宮川充司・津村俊充・中西由里・大野木裕明(編)ナカニシヤ出版

 私は13章の「非行少年とその更生」を執筆しています。
本全体の構成がどちらかというと初学者向けだと思うので、概論的なことが書いてありますが、そのなかでも最新の動向をふまえたつもりです。

「非行」については、スクールカウンセリングがターゲットになっているわけですので、少年院や更生保護施設での処遇と同じというわけにはいかないでしょう。例えば、発達障害をあわせもった非行少年への指導などを考えた場合、品川裕香(著)『心からのごめんなさいへ:―人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』で詳しく述べられているような支援方法は多いに参考になりますが、では、学校を少年院みたいにするのか?できるのか?というと難しいのではないかと思います。

 ただ、学校の先生にお聞きすれば、ある程度経験年数のある方ならどなたでもひとつやふたつのエピソードはお持ちなものですし、そのなかでどうしたらよいのかという自分たちなりの理論を言語化しておられる方もおられます。SCはそういう先生からもっと学ぶべきであると思います。

 学校の先生とSCの、どちらが対処がうまいといっているわけではなく、相補的だと思います。SCが学校現場での協働をベースに活動するかぎり、SCの専門性とは、自分だけで決められるものではなく、どのような他者にとりかこまれているのかに依存しているからです。学校現場で先生方が使っている知識をふまえたうえでの、個人の内面理解なのではないでしょうか。

 現役でやっておられる方にも少しはお役にたてるものになっているとしたら嬉しい限りです。是非、手にとってみてください。

 







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