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2007年02月25日(日) what is (suppose to be ) scientific.

面白そうな研究会の告知です。僕はあいにくいけそうにないです。みなさま、どうして質的研究でなければならないのか、質的研究で、どんな未来を想像するのかなどなど、考える会にもいきましょうね。

ただ、コード化して、まとめて、方法には「○○○法を用いて、○○的○○に至るまで分析を繰り返した」と書いていっちょあがりじゃないですよ。

そういえば実は、第1回の質的心理学会では、僕が企画者で「質的心理学はいかに「科学的」たりえるか」というワークショップをやりました。その時は、結局、答えは出ずじまいだったと反省しています。

登壇者のお一人が終わったあとで『「科学的」というテーマをみたときに、自分の立場はむしろ「(近代)科学」を否定するところから始まっているものから、どんな話題提供をしようかと悩んだ。』とおっしゃってました。むしろ、自分は科学じゃないという立場が、いかなる意味で、新しい科学となりえるかを問いたかったというのが企画趣旨だったのですが、説明不足でしたかね。

そういういきさつもあり、このワークショップは面白くなってほしいところです。先日の質的研究セミナーでも、佐伯先生が「科学」というトラウマから心理学は逃れられたのかというテーマでご講演されました。これもまた科学という意味を新しく問い直そうよというご提案だったと思いますが、それとはちょっと違う立場から、その先をいきたいというワークショップだと思います。

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「心理学における質的研究と科学:その包摂と境界」
日時:2007年3月3日(土) 14時〜17時半
場所:名古屋大学VBLミーティングルーム 
http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/
登壇者
(趣旨説明および司会) 
  松本光太郎(名古屋大学エコトピア科学研究所) 
(話題提供)
  村上幸史(大阪大学人間科学研究科) 
  荒川 歩(名古屋大学法学研究科)
(コメンテーター)
  伊勢田哲治(名古屋大学情報科学研究科) 
  サトウタツヤ(立命館大学文学研究科)
企画趣旨
 「君の研究は科学ではない」,そんな言葉を投げつけられ気持ちがふさぎこんだ経験はないだろうか。質的研究が科学であるか否かという議論は,未だに決着していない課題である。そしてこれらの課題に取り組む際には,一つに科学という枠組みをどのように見立てるのか,二つに科学という枠組みにこだわるのか否かという二つの検討の方向性がとり得る。心理学あるいは質的研究は科学であるのか,仮に科学であると考える場合,その時に想定する科学という枠組みはどのようなものであるのだろうか。また,科学という枠組みにこだわらない場合,心理学あるいは質的研究はどのような知的生産の学問でありうるのだろうか。
 本企画は,科学という軸をめぐって質的研究はどの位置にいるのか,もしくは科学という軸は質的研究にとってどのような位置にあるのか,大風呂敷であるが,そのような問いについて具体的な実践を基にした話題提供から議論を広げ深めていくことを狙いとしている。
 企画の進め方は,まず心理学における質的研究の現状について松本が概略をお話しする。次に,村上さんから,「運」を研究することを通じた疑似科学の位置づけに関する話題提供をしていただく。そして,荒川さんからは,社会の要請に対する応答の問題と質的研究が産出する知識の適用方法について話題提供をしていただく。
 コメンテーターは,お2人の先生にお願いした。1人目は,『疑似科学と科学の哲学』をはじめ科学哲学・科学社会学に関する著作を公刊し科学の線引き問題に詳しい伊勢田さんから,話題提供を踏まえたうえで,科学全体からみた質的研究の位置づけについてコメントをいただく。2人目に,性格・血液型・知能指数など「科学っぽい」心理学的知に関する著作や心理学のこれまでの軌跡(心理学史)に関する著作を公刊しているサトウさんに,心理学の内部から見た質的研究と科学との関係についてコメントをいただく。その後,フロアからの反応を含めて議論を深めていきたい。
                        (文責:松本)
参加申込
 会場設営の関係上,事前に申し込みいただくようお願いいたします。当日参加も受け付ける予定ですが、できるだけ事前申し込みをお願いします。

 (1)参加費 500 円(当日支払い) 定員50 名
 (2)参加ご希望の方は、氏名・( もしあれば) ご所属・E-mail アドレスを記入の上、下記お申し込みください。

参加申込先・問い合わせ先
  松本光太郎 k-matsumoto@esi.nagoya-u.ac.jp
  主催:てんむすフィールド研究会
  共催:ボトムアップ人間関係論の構築
     ( 日本学術振興会 人社プロジェクト)


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