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2007年02月24日(土) |
質的研究法は教育研究をどう変えるか |
金城学院大学を会場にしておこなわれた日本質的心理学会研究交流委員会企画セミナーの『質的研究法は教育研究をどう変えるか』に出席してきた。250名もの参加者がいて、事前にはどうなるんだろうと不安もあったものの、指揮をとってくださった長谷川さんの完璧な用意のおかげで、大きなトラブルもなく無事終了。私はほとんど出る幕がなかったが、研究交流委員として、ちょっとだけお手伝い。
最後の佐伯先生のご講演しかちゃんと聞けなかったのだが、いつもの佐伯節で、元気がでるお話だった。先生がアメリカに留学された当時の、認知革命の様子。そこから日本に帰ってきて、とにかく独立変数と従属変数をきめ、結果がでればそれでよし、理論なんてどうでもよいという「なんでもあり」な当時の日本の状況への幻滅。そして、本当におもしろい研究をやらねばならないという危機感から『認知科学選書』をだすにいたった経緯など。
まあ、状況論やナラティブ・アプローチにとりくみ、それをふまえつつ、乗り越えていこうとする身からすると、いままでに語り尽くされた話題というふうにもとれるかもしれない。けれど、一般向けのワークショップに何か新しいことを求めてはいけないという気もするし、なにか新しい手法が普及していく段階では、つねに原点にたちもどって説教モードで語る人も必要なのかもしれない。
ひとつ新鮮だったのは、認知科学選書の著者の執筆時の年齢。僕は修士論文のころは茂呂先生の『人はなぜ書くのか』や、佐々木正人先生の本をよく読んだものだが、茂呂先生がこの本を書いたのは32歳、佐々木先生も35歳の頃なのだそうだ。そうか、当時、僕と同年代の著者によってこれらの本が著されたのかと、あらためてすごいことだな〜と思えてくる。僕も20年たって、まだまだ若い人に読んでもらえるようなそんな本を書いてみたいものだ。
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