縁側日記 林帯刀 |
2005年10月03日(月) 無花果。 | ||||
赤蜻蛉が飛んでいる。 小さいころは、よく虫取り網をかついで、 葱畑で蜻蛉をつかまえた。 きみどりの虫かごに片っ端から入れて、 最後にふたを開けはなして、 蜻蛉が自力で逃げていくのを眺めていた。 彼らはどこで死ぬんだろう。 象と同じに、決まった場所があったとしたら、 そこはきっと彼岸花のようにあかいんだろう。 * や、ここんとこ涼しくて過ごしやすくてよいね。 昨日だけはすごく暑かったけども。 まだ初秋かな。 紅葉もはじまらないしね。 今のような時期は好きだな。 暑くて気が抜けなくて、カーっとなってた夏が終わって、 ちょっとおだやかになるというか、 気を抜いても体壊さないし、 クールダウンしているような感じ。 やっぱり季節の変わり際が好きなんだと思う。 二つの季節が重なってる時期。 * 赤い彼岸花が咲いている。 まるで死体みたいだ。 * 無花果(いちじく)の話はしたような気がするんだけど、 してなかったみたい。 あれ? 庭の無花果が豊作で、 最近までヒヨちゃん(ひよどり) (灰色で後頭部が逆立ってるファンキーな鳥) がわらわらと群がってた。 彼ら、よく鳴くのです。ひよひよと。 なので、無花果の木が、なんつうの、 奥さんの井戸端会議のような、女子高生のかたまりのような、 ええ、にぎやかでありました。 カラスもきます。 トタン屋根からつつこうとしたところ、 すべってあわてていたのを母に見られたらしいです。 おばか。 * 濃くなった影に逃げ込むように、 僕は耳をふさいでいる。 |
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