「フィガロの結婚」を見て - 2005年02月08日(火) 昨日もなんだか書いてるうちに気分が暗くなってきて (まさに月曜だから??) あんなことを書いてしまいましたが、 ところで日曜日にNHK教育「芸術劇場」で モーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』をやっていましたね。 見ました? 私はひさしぶりに『フィガロ』を見て (ハイライトでしたが。私は膨大な数のオペラの中でも『フィガロの結婚』が一番好きだ。) 改めて感動しました。 『フィガロの結婚』っていうのは、 昔のセヴィリアが舞台、「初夜権」という、 誰かが結婚する際、花嫁の初夜はまず仕えている領主に権利がある、という トンデモない(!)慣習があった時代、 アルマヴィーヴァ伯爵という人はそれをいったん廃止したのだけど フィガロがスザンナという小間使いと結婚することになった際、 伯爵はスザンナ可愛さになんとか「初夜権」を復活させたくてたまらない、 それをめぐってフィガロ、スザンナを始め、たくさんの登場人物のドタバタが巻き起こされる一日を描いた喜劇オペラ。(オペラ・ブッファとよばれます。) でもこんなに「人間」の素敵なところ、わるいところ、 イッサイガッサイが笑い飛ばされながら、いとおしく、軽々と描かれる。 その1シーン1シーンに笑い泣きするのですが、 私が感動するのは、いつも最後の場面。 伯爵はフィガロたちの計略にはまって、伯爵夫人に自分の不貞ぶりを 現行犯で見つかってしまうことになる大詰め。 その時伯爵はどうしたか? 「許してくれ、奥方よ。自分が悪かった。」と深々と頭をさげ、ひざまづいて謝り、 伯爵夫人は「そういってあなたが謝るのだから、どうして許さないわけにいかないでしょう。」と許す。 そしてその歌詞についた音楽! コラール(賛美歌)的な、こんな美しい音楽がこの世にあろうか、という音楽が今までのドタバタが嘘のように厳かに響き渡るんですよ。 これは映画「アマデウス」を観た方なら覚えていると思います。 サリエリがモーツァルトの部屋に忍び込んで見た楽譜の数々。 その中にこのシーンの音楽を見つけ、音楽がすべてに勝利し、 神が自分ではなく、モーツァルトを選んだのだと知る場面。 そしてサリエリは神への復讐を誓い、その愛するモーツァルトを破滅させようと誓ったキッカケとなったのがその『フィガロ』の最後の場面なのです。 人間だけが、謝ることができ、そして許すことができる。 私はいつも『フィガロ』を観るたびに、それに感動しないわけにはいかないし、 それがどんどんできなくなっていく社会が恐ろしくなっていく。。。 あれ…? また深刻になってしまった。イカンイカン(><) またこの指揮するルネ・ヤーコプスとコンチェルト・ケルンが なんとも素晴らしいエネルギーと美しい音で演奏していましたね。 それにも大感動っす! 全曲はBSなんかでオンエアしてくれないのだろうか? ...
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