あおい世界
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仕事帰りに映画を観てきました。 アメリカ、イギリス、ポーランドによる共同製作の歴史映画、 『関心領域』。 アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞、 その他さまざまな賞で数多く受賞した話題作。 その中でも音響賞には納得。 キンキンする高音で表現される最中に、 ピタリと音が止むことが数度あり、それがとても恐怖でした。
ストーリーはアウシュビッツ収容所の隣で、 収容所の所長の家族が幸せに暮らしている様が描かれています。 壁ひとつ隔てた収容所の存在は、音、建物からあがる煙、 家族の交わすなにげない会話や視線、気配から伝わってくるのみ。 映像はないだけに、果てしない想像をしてしまい、 逆に恐怖心を煽られ、不安になりました。 なのに家族はとても恵まれていて、無関心を装っている。
実際にその邸宅を建てた所長をモデルにしているそうで、 一番長い所長歴で長く住んでいたようです。 壁を隔てた相反する世界の違いはなんなのでしょうか。 実際、自分も他国の戦争や災害や貧困に、 心を痛めている風を装っていますが、 そのニュースが終わった途端、忘れてしまっています。 そんな自分と、何ら変わりがないような気がして、 そういうことを直球で指摘されたような気がして動揺しました。 世界に疑問を投げかける映画ですが、心苦しかった。
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