あおい世界
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兄貴が癌に効く温泉として有名な秋田の玉川温泉に、 父を連れて行きたいと言い出したのは数日前。 母は父を疲れさせたくないからとあまり乗り気ではなかったのですが、 ここ数日、気持ち良く外出している父が行ってみたいと言うので決行することになり、 我が家三人も便乗させてもらうことになりました。 トシコさんも一緒。 みんなみんなでのちょっとしたイベントですが、 心の底から楽しめないイベント。
我が家三人は土曜日の夕方、 子供会の会議が終わってから実家へ行き、お泊まり。 母に頼まれて、二階のパイプベッドを一階のサンルームへ、 不要なものを二階へ運び、父が日中サンルームで休めるようにしました。 このサンルームは、庭が一望できる位置にあり、 当初増築した時には、どちらかが寝たきりになった時のためと、 冗談とも本気とも言えない会話をしていたそうです。
父はカメラを出してきて、出かける準備をしていました。 いつもイベントの時に持ち歩く父のカメラ。 大きくて重くて、今の父には荷物になるものですが、 写真を撮ろうという気があるだけでも良かったのかもしれません。
今朝、肌寒い雨降り。 38度ある父の熱。
(兄貴の運転が)雨で危ないから止めようかと父がつぶやいた時、 元々乗り気でない母が兄貴に即行中止のメールを打ちました。 近くの温泉に行くならまだしも、 車で何時間もかかる秋田はやめたいというのが母の本音。 しかし兄貴は玉川温泉でなければ意味が無い、 最悪、自分とトシコさんだけで温泉水を買いに行くけど、 車に乗ってるだけでいいのだからと強行に勧めているうちに、 父もまた行く気になり、母は父の気持ちを汲んで行くことになりました。
朝8時に出て、15分休憩を3回。 途中車の中で体温を測ったら、37度台まで下がってて、母と安堵しました。 4時間半後の12時半に玉川温泉に到着。 最初、食堂にてランチ。 そこで父がカメラを出したので、すかさずあたしが手にし、全員を撮りました。 その後、母もそのカメラでみんなを撮りました。 父は自分で撮ることまではできなかったようです。 結局この後、父がカメラを出すことはありませんでした。
つまり、そこまで元気じゃなかったってこと。
ランチの後、温泉付近を散策。 散策といっても、温泉が湧き出ているところを見学して歩いたという感じ。 ここだけ別世界のような湯気の立ち方と硫黄の匂い。 雨は激しいままで、標高が高いだけに気温も低く、 父は厚手の上着の上に綿入れ(仙台ではどんぶくと言います)を着て、 15分ぐらいの道のりを頑張って歩きました。
そして温泉へ。 大人600円、子供300円。 源泉100%、源泉50%(熱め、ぬるめ)、弱酸性などがあり、 打たせ湯、寝湯、泡湯などもあったのですが、 あたしが一番気に入ったのは箱蒸湯。 顔を出したままサウナ箱に座るので、楽で気持ち良かったです。 この温泉はアトピーなどの皮膚疾患にも効き目があるらしく、 桃はもちろん、全員ちょっとした切り傷や掻き傷にお湯がピリピリと染みて、 効能を実感できました。 本当なら長時間じっくり浸かっているといいそうですが、 そんなに長湯はしていられず、約1時間位で上がりました。
兄貴は父と最後になるかもしれないお湯に入りました。 脱ぐのに15分、15分湯に入り、着替えるのに15分という風に、 ゆっくりしか動けない父を目の当たりにしたことでしょう。 明らかに、日一日と弱っている父。 あたしも土曜日の夜、頬がこけて動作が遅くなった父にびっくりしましたから。 実際、入院中は全然減らなかった体重が、ここ1週間で3キロ痩せたのです。 現在52キロ。
帰りもずっとずっと雨でした。 温泉を出て高速道路になる手前の商店で、父はエビネの苗を4つ買いました。 向かう時にも寄ったお店なのですが、 父がとても欲しがったのに、兄貴が温泉水も買うんだし、 定員ぎっちり乗っているので、積むところがないから、 帰りに寄れたら寄ろうと言っていたのです。 箱に入れてもらって、助手席の足元に置き、持ち帰ることができました。 他にも父は、温泉の売店で桜と桃にストラップを買ってくれました。 いつもなら遠慮するように言うあたしですが、 この日だけはねだって買ってもらうように言いました。
思い出づくりみたいですが、きっとそうなるから……。 実家に着いたのは夜7時半。 夕食を食べて歓談する雰囲気ではなかったので、そのまま上がらず解散。
到着間近、あたしが父のおでこを触ったらとても熱かったので、 熱が上がっただろうと思っていたら、案の定39度台だったそうです。 でも、今朝は37度5分まで下がり、 日中、買ってきたエビネを植えたり、床屋に行ったりしたそうです。
検索WORD = 父の病−
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