戯言 目次|過去|未来
君の手を見たあの時から その大きな手に あたしは抱かれたくて 仕方なかった でもその思いは いつまで待ってみても 届くことはなく でもその間も 君の手が 欲しくなる気持ちは 膨らんでゆくばっかりで 君の手が あたしの物にならないのなら その大きな手で あたしの全てを 終わらせてくれてもいいと そう思った 君の手で あたしの息が 止まってゆき あたしは最後に 最高の涙と 最高の笑顔を残して そうして全てが終わってしまっても それでも あたしは幸せだと思った だけどあたしは そうすることで 君の手が汚れることが すごく怖くて 君の大きくて きれいな手が あたしなんかのせいで 汚れるのは とても怖くて あたしにそんな権利はなくて だってあたしは そんな君の 汚れた手は とても愛せそうにないから あたしはその 自分の狂った考えを その時は正しいと思っていたんだけど 今なら間違っていたと思える 君の手は あの子を 愛して 欲しがって だからこそ あたしにはとても きれいな物に見えた その手が同じように あたしを欲しがってくれたら あたしは幸せだと思うんだけど だけど君は あたしを拒絶して その手をあたしの 首にかけるのなら そんな手は 何も欲しくない あたしが欲しかったのは あたしを愛しく思う 手だけで あたしを憎く思う そんな手は 要らない 今日も君の手は あの子を愛してる でもその手を見てる あたしはすごく幸せで ずっとその手を 見ていたいと思った
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