戯言 目次|過去|未来
そんなことを何度も考え そんなことを幾度も想う夜が続いた もしその願いが叶っていたなら あたし達はもうちょっと上手くいってたのかな こんな風な終わりはなかったのかな こんなに早く別れは来なかったのかな 君と別れてからの辛い時間はずっと そんな無駄なことばかり頭をよぎってた その願いは叶うはずがない 「もし」なんて虚しいだけで あたしはまだ忘れられないでいる 君と出会って覚えたこと 煙草の味 お酒の味 セックスの味 それがまだ あたしの中に染み付いて 君の味と一緒に 忘れられないでいる あたしだって背伸びしたのに 君にはいつも追いつけずに 今でもまだ背伸びの癖が抜けなくて ヒールの高い靴を履いたまま いつ転んでしまうか分からない そこで転んでしまっても 手を差し伸べてくれるのがもう 君じゃないことも知ってて それでも手を差し伸べて欲しいのは まだ君だけで だからあたしは 転びたくても転べなくて いつかまた スニーカーを履ける日が来ることを あたしはただ待ち望んでいる 君と出会う前のあたしが好きだった スニーカーを
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