Allyssa
Dad
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 ☆友達だけど抱きたくなるときがあるから、そのときは拒んで、■娘さんと台風デート

「このドラマ知ってる?」
「セックス・アンド・ザ・シティ?
興味はあったんだけど、まだ観てない」

 DVDを持ちながらしゃがみこむ彼女の
問い掛けに俺はそう答えた。長い髪の毛で
見え隠れする彼女の表情を上から見つめていた。
靴の妖精かと思うほどのブーツのヴァリエイション
を持つ彼女の爪先から頭までのラインに少し目を
奪われていた。

「こういうドラマものってシーズン分の本数
借りなきゃいけないから金かかるよね」

 俺がそう言うと彼女は手の中でジャケットの中の
サラ・ジェシカ・パーカーを躍らせながら、

「じゃあ、一週間レンタルで初めは私が
観終わったら26に渡して返却ってのはどう?」

 彼女の名案に俺は笑いながらConfirmした。
ビデオ・レンタル店を出ると西口の喧騒のなか、
彼女をタクシーに乗せた。ドアが閉じる直前、
彼女は言った

「私も新しい世界に飛び込んでみようかな」

 突然のその台詞は一時間前に喫茶店で
話をした話題の続きだった。それは複雑な恋に
揺れている彼女の一時の気の迷い、惑乱かも
知れなかった。

 タクシーを見送って俺は家まで歩いた。
近道である地下商店街を通りながら先ほどの
彼女の台詞のときの表情を思い浮かべていた。
照れ笑いの表情のなかで目が迷っていたことは
容易に見てとれた。



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 数ヵ月後、一週間に何回かの習慣になった
XX回目かの晩餐。あのときの表情を思い浮かべた
地下道のライトに揺らいだ光が彼女の肢体のラインを
泳がせる。彼女の双丘の膨らみ。そして、パルファム
のボトルの様なウェストの双曲線。エッジが無いのに
触れたらどんな男も傷つけてしまう。俺は傷ついても
いいと諦めにも似た感情に支配され彼女を抱きしめていた。

「ちょっと・・・だめ・・・だめです」

 俺は彼女が欲しかった。俺は彼女の肩に顔を埋めた。
愛おしさが膨れ上がって俺は抱きしめるというより
束縛するように彼女の肩に顔を埋めた。そうするしか
なかった。他に選択肢は無かった。

 彼女の耳元で、

「友達だけど抱きたくなるときが
あるからそん時は拒んで。」

 と、懇願した。彼女はその言葉に、

「分かった。」

 この瞬間、俺の心に彼女の長い黒髪が絡みついた。
だが、彼女を得ることが出来なかった。たった数秒の
抱擁。彼女の肢体のラインに触れた一瞬のハッピーエンド
でも構わなかった。



彼女には婚約者がいたからだ



「ごめんなさい」

 俺はそう言いながら彼女から身を離した。彼女は
呆然とした表情で俺を見ていた。ジェリコの壁を崩す
喇叭さえも、カシウス・ロンギヌスの槍さえも砕く
ことが出来ない関係の中で彼女とのそれまでの時間が
心の中でゆっくりと再生されていった。



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 彼女とは同じ部署で何ヶ月か一緒に
働いていたが、プライベートの会話は
ほとんど無かった。


 婚約者と同棲中という女性に興味は
無かったことと、その頃は幾つかの
恋愛が終わり四ヶ月ほどの休息時間を
得ていた頃だったからだ。
また、少し女性不信になりかけていた
時期だった。

 仕事も出来、気を強い彼女と当時の
上司と些細な喧嘩が起きた。当時の
社長の特命で板ばさみの俺が互いの
仲裁と説得と仲直りをすることになった。
任務を完遂して二人を仲直りさせたこと
で社長、上司、彼女、俺で食事会を
催すことになった。社長曰く「中間管理
職に必要なスキルなんだよ」と。



 時に一月十三日。食事会の後、二人で
某店にスイーツを食べに行き、初めて
プライベートな話をした。彼女の違う
側面を見た。婚約者との話を聞いたが、
やはり男女二人というものは色々ある
ようだ。その頃の俺はツゥアラトゥストラ
のように二元論者だった。無駄な恋愛を
している女性には「そりゃムリなんじゃね?」
とハッキリ言うことにしていた。
うだうだやっている女性は見ていて気の毒なので
健康的にそうすることにしていた。

 昔、ビルの地下の商社の経理の女友達
J子と花の名前でメールのやりとりをして
花言葉で意味を伝えることにハマっていた(笑)
例えば二人でTDRに行くときは「マダガスカル
ジャスミン」花言葉は「二人で東の方へ旅をしよう」
ディナー、ランチお誘いお断りは「アザミ」
花言葉は「触らないで」(爆笑)

 一月十三日の花は「キンセンカ」皮肉にも
花言葉は「恋に落ちたプレイボーイ」(笑)
彼女をタクシーに押し込んで見送った後、
「キンセンカ」のもうひとつの花言葉が自然に
浮かんだ「報われぬ恋」、彼女の乗り際の
台詞がシンクロニシティしたような感じだった。


 家の方向が同じだったのでそれから何回か
ディナーを一緒にするようになっていた。
(この頃は定時で帰れてたんだなあ(涙))
一見、派手に見えるが、実は身持ちも堅く
聡明な女性だということも知った。


 二月八日。彼女からピエール・マルコリーニの
早めのバレンタインチョコを貰った。勿論、本命
チョコでは無いが素直に嬉しかった。楽しい食事
になった。けど、いつもディナーは彼氏の「帰る」
メール、コールで終焉を迎える。この日は早めの
時間に帰らなければならなくなった。俺は少し
不機嫌な気持ちが生まれていた。彼女も気遣っている
表情を浮かべたので俺はいつものポーカーフィスに
戻って彼女の後姿を見送った。二月八日の花は
「パンジー」花言葉は「勇気をください」・・・


 この頃にはお互いに砕けた会話も出来るように
なり、俺も「人生で三人だけ」という話を既に
していた。彼女もそういう人がいるの?と驚いていた。



 三月九日。意図的かどうかは今では忘れたが
少し離れた区の店でディナーを食べた。そのときに
自分の趣味関係の話題になったので彼女はそれを
知りたがっていた。けど、俺はあまり、この件は
秘密にしておきたかったので言わなかった。
それでも彼女が聞くので一つ条件を出した。

 教える代わりに、「駅まで腕を組んで歩きたい」と。


 彼女は少し悩んで間を置いて、頷いた。


 三月九日の花は「アセビ」花言葉は「身も心も
あなたと一緒」「二人で旅に出よう」

 俺達は短い時間の間だけ、腕を組んで
歩いた。とても短い時間だったけど、
最初でもなく最後でもなく最高の繋がった
二人の時間だった。


 別れ際、彼女を抱きしめた。


「友達だけど抱きたくなるときが
あるからそん時は拒んで。」

 と、懇願した。彼女はその言葉に、

「分かった。」


 意外な返事に少し戸惑いながら彼女の
スーツの後姿をずっと見ていた。




 二週間が過ぎた三月二十六日、彼女と
ダーツバーでダーツを楽しんでいた。その頃、
会社連中の間でダーツが何故か流行っていた。
そこで賭けをした。彼女が勝ったらTDRに
連れて行くことを。






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 三月二十六日の花は「ケマンソウ」
花言葉は「あなたに従う」


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『娘さんと台風デート』


サマースクール節約の関係でパパ休暇です。一応、定期健診ということで。携帯電話を完全に切りました。もう、パパの仕事に対する考え方は変わりました。

昨日、BDDVDプレイヤー購入のため、実質的にケーブルテレビが要らなくなったので月末解約が出来るというので、機械を娘さんと返しに行きました。郵送だと4500円もかかるというので、持ち込みで。しかし、台風の豪雨。結局行き帰りタクシーだったので超意味無かったかな。けど、解約も八月末になるので、そこんとこも節約されます。

娘さんとお買い物して家に帰り、のんのん呑気に遊びました。携帯電話を切ってるとはいえ、同僚にはどうしようもない案件はメールでと言ってるので時々、メールチェック。やはりトラブルの連続のようなので、それなりに対応。

奥さんが夕食の買い物をして帰って来ました。炊飯の用意はしていたので食事をして今日は娘さん、昼寝無しで頑張りました。明日から娘さんも幼稚園というおつとめです。お互い頑張ろうね。

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2009年08月31日(月)
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