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■ 何気に凄いコメディ映画
観たくて観たくてフリーの好機の日に映画館に行ったら封切り前一週間だったので観れなかった「トロピック・サンダー・史上最低の作戦」を借りました。ロバート・ダウニーJRが黒人俳優役になりきった白人俳優役(ややこしや)を演じてコメディ映画(実はそうでもない)なのに、アカデミー助演男優賞にノミネイトされた作品です。
で、ただのコメディ映画パロディ映画という先入観で観たので驚いた。以前、アカデミー賞に「ブラッド・ダイヤモンド」が主演男優賞、助演男優賞でノミネートされて話題になった。いわゆるセレブの寵愛するダイヤモンドの裏業界批判の映画であり、よく製作したなあ、と思うほどの内容だった。日本だったら確実にもみ消されるなあ、という内容を狡猾に描いていた。
「トロピック」のほうは戦争映画製作の俳優が本物の戦場に送り込まれ隠しカメラで撮影され、本当の戦闘を強いられるという各戦争映画のパロディ場面を随所に入れた作品であると説明すれば簡単であるが、そんな簡単明快な映画ではなかった。映画マニアはニヤリとする映画だったが、それ以上のメッセージ性があり、アカデミー対象作品になったのも頷ける。
劇中で「ダスティン・ホフマンはレインマンで知的障害者の役をやったが記憶力と洞察力に優れた能力の持ち主だった。トム・ハンクスはフォレスト・ガンプで同じような役をやったがやることなすこと上手くいって億万長者だった。しかし、お前は完璧に演じすぎた。なんの特徴もないからだ。「アイ・アム・サム」を演じたショーン・ペンに聞いてみろ」という台詞がある。
つまり、観客の選ぶものと演じるものの与えるもののステージの違いを風刺している。つまり、観客を馬鹿にしているのだ。そのため、アジアの戦場で生きる人間達は知的障害者を演じたジャックを絶賛し認めた。ジャックはそれを受け入れてくれたことに対して行き方を見つけた(一時的ではあるが(笑))。不遇な者を演じればアカデミー賞を取れるという風刺もあり、それらを受け入れたアカデミー会員達の懐の深さも凄い。とはいえ、映画好きには本当にたまらん構成となっている。
各場面、何気にメッセージ性に富んでおりベン・ステイラーの凄さを垣間見ることが出来る。この人、何気に初監督作品があの、「リアリティ・バイツ」なんだよね。
っつか、ジャック・ブラックは少し、テンション低かった。RDJはとにかく上手すぎた。スティーブ・クーガンは出番が少なかったけど、好きな俳優の一人なのでよかった。しかもニック・ノルティまで出てるし、冒頭の嘘映画(他社の映画会社のロゴまでパクってる精巧な作り)でトビー・マグワイヤも何気に出てるし、マシュー・マコノヒーも。そして、トム・クルーズ。凄かった、この映画。何気にベストに入りそう。
そして何と言ってもエンディングがカイル・クーパー(号泣)「セブン」のOPタイトルでその後の全ての映画のOPタイトルに影響を与えたイマジナリー・フォースのカイル・クーパーっすよ。っつか、カイル・クーパーの作品集は何度見ても飽きない。本当に飽きないくらい映像力がある。
いまんとこベスト1のコメディ映画は「ジム・キャリーはMRダマー」なのだが。これ以上に無条件に笑える映画というのは他にもない。
元同僚が合宿免許から帰ってきたらしい。御苦労様でした。
2009年04月12日(日)
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