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2009年08月24日(月) GPS精度低下の恐れ…

民生でもカーナビだけではなく、最近は携帯電話やデジカメなどにも搭載されて、結構恩恵にあずかっている人が多いGPSシステムが、早ければ来年くらいから測位精度の低下を生じる可能性があるそうです。

GPSは高度約2万キロに配置された衛星からの電波を受信して位置を特定する仕組みですが、その衛星が老朽化しているにもかかわらず、後釜の衛星の開発が遅れているのがその理由なんだそうです。

精度の高い即位を行うためには最低4つの衛星から受信する必要があるのですが、それを常時実現するためには、最低24機の衛星が必要とされている(現在は30機配置)のですが、来年以降老朽化した衛星の運用が停止し始め、2018年頃に最悪の事態を招きそうだと言う事です。(下に転載した記事の中では「〜その状態が95%以上あること〜」とか「18年には10%にまで落ち込むことがわかった。」と記載されているのですが、その割合が何を示すのか、私には理解できませんでした。衛星の稼働率と言う事なんですかね。)

兎に角、来年以降30機ある衛星が順次活動を停止していくけれど、そのバックアップ衛星の開発は遅れている。遅れているけれど開発はしているので、でき次第順次打ち上げるので一時期状況は好転するけれど、最終的に2018年頃に最悪のピークを迎えそうだと言う話で、例えば私たちが一番利用しているカーナビなどは、どの辺りまで低下すると使えなくなるのでしょうね。私が今使っているAVIC-T20は、車載キットを買うと、エンジンパルスか何かを拾ってGPSの精度向上の足しにしていますし、高いカーナビならそれ以外にもGセンサーなどを使った自立航法システムを確立していますから、それだけでもそれなりの位置特定は可能でしょう。しかし、GPSが使えなくなるとかなり不安が出てきますね。

特に民生での使用だけなら、「不便だ」と文句を言って嘆くだけで済みますけれど、実際には、航空機や船舶の運航などもこれに頼っているようですし、地図作成、地理測定なども最近はGPS頼みという感じです。その辺りは、GPSが使えなくなったと言ったら、「不便だ」では済まないでしょう。どのような対策を取ろうとしているのでしょう。

日本国内のカーナビだけなら、FM波で位置精度詳細情報なんて言うものも流していますし、それなりに対応策はあると思うのですが、事が国際的な運行と言う事になると一国だけの問題じゃなくなりますし、その対応をどうするのか注目です。

これから自動車を買う人は、そういう状況を踏まえて、買い控えるかはたまたより高価な自立航法機能を搭載したカーナビを買うかした方が良いのかもしれませんね。まぁ、もう少しアメリカの対応などを注目する必要がありそうです。


GPS、精度低下の恐れ 来年以降、米の衛星更新遅れ
asahi.com 2009年8月24日15時6分
 【ワシントン=勝田敏彦】米軍が運営する全地球測位システム(GPS)が、早ければ来年から精度低下に陥る可能性があることが、米議会の行政監察院(GAO)の調べでわかった。老朽化したGPS衛星を更新する衛星の開発が遅れ、十分な数の衛星を確保できなくなりそうなためだ。車のナビや携帯電話、飛行機や船舶の航行にも欠かせないシステムとして世界的に使われており、日常生活にも影響が出る恐れがある。

 GPSは高度約2万キロの軌道にある衛星からの電波を受信し、位置を決めるシステム。正確な位置決めには、同時に四つの衛星からの電波を受信する必要がある。そのためには24基以上の衛星が適正配置でなければならず、その状態が95%以上あることを米政府は公約にしている。現在、予備も含めて約30基の衛星が運用中だ。

 ところが、報告書によると、来年以降、寿命が尽きた衛星が次々に運用を停止する。一方、これを更新する次世代衛星の打ち上げの開始は遅れる見通しだ。衛星を製造していたロックウェル社の宇宙・防衛部門が航空大手ボーイングに買収されるなど、業界再編で技術の継承が難しくなっている背景がある。また、宇宙政策を決定する米政府内の部局に指導力がなく、予算を十分確保できなかったことなども原因としている。

 打ち上げ計画はすでに3年遅れの状態だが、GAOは次世代衛星の打ち上げ開始が2年遅れると想定して検討した。その結果、24基を確保できる指数は来年から、適正運用の最低ラインである95%を割り込み、18年には10%にまで落ち込むことがわかった。

 報告書は、軍や民間のGPS利用者が「深刻な影響を受ける可能性がある」と警告。爆弾の着弾精度が落ちたり、大陸間の航空便の遅延や欠航が起きたりする可能性があると指摘した。

 カーナビでは、車の位置が地図上で止まったままになるなど不正確な表示をしたり、目的地までの所要時間の計算を誤ったりする可能性がある。米国のカーナビメーカーの技術者も「影響が出る可能性があり、対応を検討している」と話した。現在も使われている車速センサーなどによる補正技術を向上させたり、欧州が構築中の同様のシステム「ガリレオ」の電波を受信する機能を付け加えて補ったりする対策が考えられている。

 GPSは、爆弾の誘導など軍用として本来開発されたが、航空機の航行システムなどだけでなく、地図作製のための測量、地震や火山活動の予測に役立つ地殻変動観測にも欠かせない社会インフラになっている。

 ただ、現状で利用できる地球規模の測位システムは、米国のGPSだけ。欧州のガリレオも予算不足などから計画は遅れており、日本も衛星3基でGPSを補う「準天頂衛星」の1基目を来年度に打ち上げる予定だが、GPSの精度向上が目的にすぎない。

 GAOは米議会の関連機関で、日本の会計検査院に近い組織。行政機関の実績や効率などに関する調査を行い、議会に報告している。


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