The Green Hills of Earth
2008年11月05日(水) |
日産エクストレイル20GT |
asahi.comの記事で、クリーンディーゼルエンジンを積んだ「日産エクストレイル20GT」という車を知りました。
大排気量車用CVTの開発には注目しましたが、この会社はデザイナーがタコ過ぎての乗りたいと思わせる車はほとんどありませんし、数少ない(少しは)魅力のある車も他社から引っこ抜いたデザイナーが作っていたりして、そのえげつなさ、情けなさは野球の巨人と一緒。この会社を好きになれない理由が納得できます。
さて、そんな会社ではありますが、この車は結構面白いです。エンジンに合うCVT開発が遅れたため(?)6速マニュアルのみの設定だから「GT」という名前にしたという、洒落が笑えます。 この車は兎に角車内が水洗いできる素材で作られていることが自慢のようですが、私には「だから何?珍しくはないでしょ」と思うのです。今の車は分かりませんが、スズキのジムニーはずっとそんな性能でした。ビニール張りのシート、ビニール製の足元マット、濡れて困るような内装なし。荷室は鉄板むき出しで洗い放題。水抜き穴完備。更に幌仕様もあったのでメータ類は一応防水仕様です。エクストレイルにできることでジムニーにできないことはないんじゃないかな。オフロード性能も大人と子供ほど差があるし(当然ジムニーが上です)。強いて言えば法定速度を越えたところでの静粛性だったり、一人多く乗れるかどうかとか、車内に余裕があるかどうかとかそんな程度の違いなのかな。
でも、ジムニーは商用車ですし、エクストレイルは乗用車です。乗用車で、例え猿真似的発想でもこういう車を作ってきたことは称賛すべきなのか、はたまた、普通の乗用車ではトヨタやホンダにかなわないからニッチ商品に逃げたのか…判断に悩むところです。
この元記事に「オフロードではATのありがたみ味も捨てがたい」という文章がありましたが、一夜開けた(読んだのは昨日)今も謎です。
オフロードでATが便利なんて状況は想像できません。
ATは間にトルクコンバーターが入ることで、アクセルの開閉がワンテンポ遅れるのが致命的な欠点かなと思えます。モーグルを走るとき、段差を越えるとき、様々な状況でアクセルのオンオフでサスペンションを伸縮させ踏破するきっかけを作るのに、ATのどんくささは致命的な欠点になりこそすれ、長所になるはずがないのです。 余裕があればブレーキを踏みつつアクセルを煽ってタイミングをつかむこともできるでしょうけれど…ってどうせこの車は独立懸架でモーグル地形などでは腹がつかえて動けない「砂利道=オフロード」の車なんですよね。だったらATでのんびり走ることが出きる方が便利ということなんでしょうかね。
「パジェロが世界一(または有数の)性能の良いオフロード車と信じている人たちなら便利に使える」ということなんでしょうと、無理矢理納得したのですけど、本当のところ、どういう意味なのか気になります。
話がそれてしまいましたが、私は三菱と東京電力が共同研究しているような電気自動車も、トヨタのプリウスのようなハイブリッド車も信じていません。 「電気自動車は排気ガスを出さないからクリーン」…見た目はね。その電気を作るため発電所は動いているし、電気を送電する際のロスは使用量が大きくなれば無視できないでしょ。本当に良い選択肢か疑問です。
プリウスは電気を使うため大きく重いバッテリを搭載しています。一部では高燃費かもしれませんが、果たして…ちなみに今春、四国で10万キロ走ったプリウスを借りて乗りましたが、燃費は10キロ程度。これなら普通のガソリン車の方が良い数値を出すでしょうね。 更に、あちこちから、「長く使っていると燃費はそんなによくない。一部条件を満たしたときだけ」という声も聞こえてきます。
新しい技術には産みの苦しみを伴うのも理解します。が、今時点で消費者としては、ディーゼルエンジンが正しい選択じゃないかと思っています。 ですから、例えハイブリッドや電気に乗り遅れたんだとしても、日産がディーゼルに力をいれたことは、例え企業の背景が否応なくそうせざるを得なかったのだとしても拍手を送るべきですね。
今回のエンジンは、その昔、ホンダが開発したCVCC以来の大発明なんじゃないのという気がしますよ。 私的にはマニュアル変則というのも嬉しいので、買いたいと思ったのですが、車高の高さが駐車場の制限に引っ掛かりそう。残念です。
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