The Green Hills of Earth
8月に愛知県岡崎市の伊賀川が氾濫し死者が出た件について、専門家が調査を実施した結果、水路が部分的に狭まるため引き起こされていることがわかったそうです。
うーん、何を今さらって言いたいですね。
またダムの話ですが、水をためるのが使命のダム湖は、湖底に湖底に計算された間隔、計算された濃度でセメントを注入します。これをグラウト工法またはグラウティングといいます。 この工事により、何もしなければ湖底から地下に流れ出す水の量をコントロールするのです(しなければ、ダム湖に水はたまりません)。逆にいうと、水をためる目的のダム湖でさえ透水率で計算された分の水は地下に逃がすようにしているのです。
翻って、都市部の川…そして地方では人目につかない山奥などでは三面工事と呼ばれる護岸工事に川床すらセメントで固めた川が存在します。透水率は0%でしょうね。 なぜこのような川を作るかと言えば、こうすることが普段は水の流れをコントロールがしやすいのと、田舎では単純に普通の護岸工事よりお金を儲けられるからです。田舎なら多少手抜き工事をしたって誰にも迷惑はかけないし、川のせき止めるとか、高い金を吹っ掛ける名目はたくさんあるし、金儲けが目的の工事にはうってつけの無駄工事なんです。
川は本来山から海へ細い急流から広くなだらかな流れに姿を変えつつ、蛇行を繰り返しながら流れます。地下に染み込んで地下水系を作り、それは森をつくって生命を支える。そんな連鎖の一部になっていて、森は大地に根を張り、雨を土中に蓄え保水して鉄砲水などを防ぎます。
川は石を下流に運び、それらは生物の住処や隠れ家、繁殖場所となります。台風では増水によって石同士がぶつかり表面の藻などを落とすことで自浄されるような機能を持っています。が、護岸工事で水の流れが直線化し生物の棲めない川はドブと同義になりました。
さらにこの阿呆共は、自分達が国(町)を管理していると言いつつ、あまりにもずさんな管理で、どこにどんな水路があるのかすら把握していないようです。役所という狭い場所の中で自分の目につく範囲だけを守り、横に繋がりを持たないから、結局はなんの役にもたたないことに時間を費やしてきたという結果になってしまいました。
頭の悪い、将来を全く考えない頭でっかちの阿呆が設計、施工許可した人工のドブで事故が起きたのは自然災害でしょうか。私には人災、それも悪質な詐欺と怠慢による事故だと思いますが、皆様はどう思われますか。
余談ですが、先にも書いたように川と森はセットのようなものです。が、日本の林業は金儲けしか考えない阿呆な歴代の役人の力で壊滅状態になっています。高い金で売れると森を伐採して保水力のない杉を植え、売れなくなったら金がないからと整備もしない…民間企業じゃないんだからさと言いたくなりますよ。
山は金儲けのためにあるのではなく、治水、環境保全のためにあるのです。そして、役所は金を儲けるのではなく、儲けはでない(から民間企業ができない)けど必要な事について税金を投入して実行するのが仕事なのです。
ダムにかける金があるなら、その分山の整備に金を使えば、鉄砲水、土石流、崖崩れなどの心配も減るし、環境にも良いことばかりです。
海外では多くの国でダムは否定され自然の形で川を治めようという試みが普及しています。が、日本ではそれを必死に隠しているというか、知らないふりをしようとしています。それはひとえに、「それじゃ儲からないから」ということなのでしょうね。しかし日本の数十年後を考えるべき時に来ているように思うのですが如何でしょう。
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