The Green Hills of Earth
小麦粉などの値上げによって、パンなどの相次いで値上げ…そんなニュースが飛び込んできたのは、私が前の出稼ぎ先で仕事に追い詰められているときでした。
先日、帰宅する列車にほろ酔いの中年男性が3人乗ってきました。私よりちょっと上の世代かな。 彼らはそれまでも話していたのかもしれませんが、列車の中で「真空管アンプは良いよぉ」という話をしていました。「真空管の音はね、石(トランジスタ)とはぜんぜん違うの。本当すごく良いよ」と。で、ほかの2人もそれに同調して頷いています。それからしばらくアンプの話が続いた後、今度はLPレコードの話になりました。「いやー、レコードも音が良いんだよね。CDもさ絶対的な音は良いんだろうけど、やはりアナログの音を聞くとほっとするよね」とかそんな感じでした。で、次に出た言葉は「でもさ、私はCDの音とMDの音の違いがわからないよ」って言うんですよ。 正直な話、私はMDの録再装置に触ったことは殆どありません。発売当初にあまりの音のひどさに、自分が手に入れるべき候補からはずしてしまったのです。ただ、それから何年かして技術の進歩で多少は変わったかという確認という名目でとか、友人の車に乗ったとき等に音を聞くことはありましたけれど、音が良くなったという印象はありませんでしたし、結局ワウ・フラッターのないカセットという印象は拭えず仕舞いでした。 どれだけ技術が進歩しても、あれだけ音を圧縮して変えてしまったら、「CDと比べて違いがわからない」というのは、よほど陳腐なシステムや環境で音を聞いているか、それとも余程耳が悪いかどちらかではないかとしか思えません。 (少なくとも私にはそう思えますので)その言葉を聴いたとたん、それまでほほえましく耳をダンボにして聞いていたオーディオ談義も「あんたらの言うことはどこかの本で得た知識なのか?」と思えるほど信じられなくなりました。まぁ、別にそこに新たな知識が広がっていたとかそんなものではなく、単に列車内の暇つぶしではあったのですけれどね。 何かね、別にそこに技術的な根拠だとか小難しい数式を並べ立てることはないのですけれど、私にとって、MDの音がCDの音と変わらないというのはある意味衝撃的な話だったんですよ。ここでも何度か書いていますけれど、カセットテープの後釜として、MDやDATなどがあった訳ですが、一番音の悪いMDが生き残ったのは唯一ランダムアクセスができたという事だった訳で、VHSがβに勝ったように、性能が明らかに劣る事が勝敗に直接つながらないという良い例である訳です。その根底を覆されて、私はちょっと動揺しています。もしかして「MDとCDの音って最近は区別がつかないくらいMDは進歩したの?」とだれかれ構わず聞いてみたい気分です。どうなんですかね… リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |