The Green Hills of Earth
先日、ちょっと若めの人の名簿をパソコンに入力する機会がありました。
耐震強度偽装事件で姉歯もと1級建築士が設計した204件の検証が終わったと国土交通省が発表しました。 それによると、姉歯氏が国会で証言した事との矛盾がいくつか出てきたそうです。特に偽装の方法は「単純で誰が見ても判る」と言っていたのですが、実際には最初期の偽装はかなり凝っていたとの事でした。 「凝っていた」というのは、初期の偽装は「印字の時点で不正な数値にすり替えていた」と言う事を指すそうで、だから「図面を見ただけでは判らなかった」のだそうです。でもね、そう言う事をチェックするからこその「検査機関」なんじゃないですかね。「図面を眺めるだけ」がチェックだったなんて改めて唖然としました。こう言うのを「お役所仕事」って言うんでしょうね。 「提出される資料に嘘はない『はず』」という性善説でチェックをするのであれば、その存在価値は「まったく」ありません。どんなに親しい間柄でも、どんなに信用のおける企業でも常に疑ってかかってチェックをするからこその「検査機関」です。また構造設計をするためには「1級建築士」という資格がいるとの事ですが、それを検査するだけの人にはそんな資格は不要でしょう。構造計算をするのはコンピュータを使わなくてもできるでしょうし、独自のソフトでもできると思います。しかし、基本は国が指定したソフトウェアがありますし、国が許容する数値の範囲があるはずです。だとしたら検査機関では一切の理屈は不要で、「設計の基礎となる条件を入力して出た答えが設計書に記載された数値と合致するか、許容範囲に収まっているか」だけをチェックすれば良いだけの話なんです。プログラムを作る人の間では常識的な話なんですが「そのプログラムの中で、おみくじを引いていようと、下駄を投げていようと、水ごりをしていようがどうでも良い。正しい答えが出ればそれで良い」という訳です。こういうのを「ブラックボックス」と表現する事があります。飛行機のフライトレコーダなども中が開けられないのでブラックボックスと呼ばれる事もありますね。中がどうなっていようと一定の時間の飛行データや通話が記録されていればいいと言うものです。構造計算もそんなブラックボックスソフトを使ってチェックすればいいだけの話なんですよ。建築士が「自分はこんな思いで、こういう計算をすれば構造は大丈夫なはず」と設計をした事でも、その基礎数値を入力して答えが許容範囲外なら不合格にするだけです。それが単純な計算ミスなのか、それとも思想の違いなのか、はたまた偽装をした結果なのかはどうでも良いのです。単に「その数値を使ってこの答えがでるのはおかしい」とはじくだけです。その数値が許容範囲に入っているなら、チェック結果は問題なかったと自信を持って言える筈ですし、今回のような偽装は全て引っかけられた筈なんです。それを性善説で、設計する側でさえ計算が面倒だからパソコンを使って計算をするものを、チェックする側は図面を眺めてチェックして合格と太鼓判を押していたなんて事がまかり通るから「おかしい」んですよね。 お役所には頭の良い人がたくさんいる筈なんですが、こんなプログラマなら初心者でも理解しているであろう事が出来ない…というか、未だ提出が紙ベースって言うのも、本当に呆れるばかりでした。本当に彼らに任せておいて大丈夫なのでしょうか。彼らに出来る事は自分の天下り先を確保する事だけなのではないでしょうか。どうかそうじゃないところを少しは見せて欲しいものです。
本当は今日辺り帰る予定でいたのですが、見事うっすらとではありますが雪が降りました。この辺りはすぐに溶けると思いますが、関越などは山間部でチェーン規制だそうです。父の車を借りて帰るのも、高速バスに乗って帰るのも、青春18切符で帰るのもお金がかかりますし、実家にいると仕事がはかどらない…ジレンマです。どうするか考え中 しかし、田舎で雪を見るのは久し振り。そして久し振りに日本海側の季節を堪能しています。でも…もう4月なのにねぇ… リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |