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2006年03月08日(水) ウィニー対策(自衛隊編) / ウィニー対策(警察編) / 強度偽装も… / 強度計算の方法

私物のパソコンを持ち込んで、本来やってはならないデータのコピーをして、その結果としてウィルスに感染してデータを流出させるという悪循環が続いた自衛隊で、その原因は「パソコンを必要とする人全てにパソコンが行き渡っていなかったのが原因」と、数十億円の緊急予算をたてて、パソコンを購入し官給支給をすることに決めたそうです。

果たしてこれで、今回のような事件が無くなるでしょうか?
残念ながら答えは「нет」「nein」「non」「nr」「아니다」「não」…どこの言葉を使っても「いいえ」でしょう。(因みに露独仏蘭韓伊です)
今回対象となる「私物パソコンを持ち込んでいる人」は、陸海空あわせて67000台だそうです。それを全て官給支給すれば、もう私物は持ち込まないだろうと普通は考えます。でも、実際にはそうではありません。「自分の使い慣れたパソコンの方が良いから」「自分のパソコンの方が高性能だから」「自分の好きなようにカスタマイズできないから」「自分の使っているソフトが入っていないから」そんな理由で私物パソコンにこだわる人が少なからず出てくるからです。自衛隊の施設にはいる時、私物パソコンを厳重に取り締まると言う措置まですればその持ち込みを遮断して官給品のみで業務を行わせることはできると思います。しかし、単に官給支給をして「任務完了」と言う認識ではこの手の事件は無くならないでしょう。単に「官給支給までしたのに、私物を使っていたとはまかりならん」と厳罰に処す良い訳が出来るという事だけでしょうね。その辺りの危機管理が出来ない人が、果たして日本の国土を守るなんてたいそうなことが本当にできるのか甚だ疑問なんですけれど、大丈夫なんでしょうか?


ウィニー対策(警察編)

警察でもファイル交換ソフトによる情報流出があったことで、警視庁は全国の警察に連絡し、公私のパソコンを点検し、セキュリティ対策の徹底を指示したそうです。

承認のない機器は情報を削除した上で撤去。ファイル交換ソフトと無断でのインターネット接続の禁止などを盛り込んだそうですが、これも机上の空論で、単に次に事故が起きた時は「警察としてはきちんと禁止にしたのに、その個人が勝手に違反したんだかんね」という言い訳をするためだけの通達に過ぎないと思われます。警察は個人情報などをどれだけいい加減に考えているのでしょう。責任を取らないための言い訳を考えるより、実際にどうしたら防止できるかをよく考えて欲しいものですが、多分彼らの頭では無理でしょうね…


強度偽装も…

昨日は「名義貸し」について「そんなことは全国で普遍的に行われていることだから」と、心当たりのある人は戦々恐々としているだろうという話を書きました。
そして最近は「強度偽装が北海道でも発覚した」が話題になっているようです。

この話でも同じ事が言えるのですけれど、(以前にも書きましたが)建設業者が利ざやを稼ぐためには、言葉は悪いですが「手抜き工事」が一番手っ取り早いのです。マンションなどの鉄筋、コンクリートを大量に使う現場では、その鉄筋数を減らしたり、セメントの濃度を薄くして使用量を減らすことで簡単に費用の圧縮が出来てしまいます。一度建ててしまえば中が見える訳でもないのでばれにくいのも「手抜き工事」が発覚しにくい原因になって居るんですよね。これがダム建設など大規模工事になると、その辺りのチェックも一応は存在しているので、多少はごまかしにくくなっていることもありますが、民間企業ではその辺りはどうなんでしょう。手抜きに関して今回はっきりしたのは、販売会社の手抜き(設計段階で強度を偽装し、建設費用を節約して、販売価格との差を大きくする)と、建設会社の手抜き(建設資材を節約し、請求金額と支出金額の差を広げる)の二種類があり、ひどいところではその両方がぎりぎりまで実施されたものもあったと言うことです。

建設業界では「強度偽装」というのは「経費圧縮」という言葉で普遍的にあることなのではないでしょうか。今回の一連の事件のように極端なものとは言わなくても、10%程度手を抜いている設計なんて事はかなり普通にどこにでもあるのではないかと思えます。
強度不足が露呈したマンションなどが、建て替えなどのために取り壊され始めていると聞きました。どうせ壊すものですから、役所はそれを徹底的に調査してみれば良かったのではないかと思います。偽装設計図の通りに建設された建物がどんな物か、また、運が良ければそこから更に建設業者が利益を上げるために手を抜いた建設物が見られたかもしれません。そう言うものが明るみに出ることで、一気に業界の粛正が出来たのではないでしょうか。

名義貸し同様、多少手を抜いて利益を優先した設計図を起こしたことのある人は、今度は自分の名前が出てしまうのではないか…今まではチェックさえ通ってしまえば、二度と人の目に触れることの無かった責任問題が、こんな所でいつ降りかかってくるかわからなくなってしまって、ドキドキして過ごしているのでしょう。そんな人は結構多いのではないでしょうかね。まぁきれい事ですが、曲がったことをしていなければ恐れることはないのですから、もしドキドキしているとしたらそれは今まで手を抜いた代償って事で、そのスリルを楽しんでいただきたいと思います。


強度計算の方法

強度偽装のマンションについて私たち野次馬は「怖くて住めない」「強度が足りなくて、ちょっと大きな自信が来たら倒壊するおそれのある建物は取り壊して建て直すなりすればいい」と簡単に考えますが、実際にそこを購入してしまった人たちには、住むのも怖いけど、建て直しなどにかかる費用負担も頭の痛いことなのです。そして、既存の強度計算をすると強度が0.5を割るような建物でも、最近認められている新しい計算方法で計算をすると強度が1を超える建物もあると言うことで、その計算方法を導入して計算をしたら取り壊さなくても済むと言うことで、金の負担を重荷に思う人たちは都合の良い計算式を選んで、混乱を招くという話みたいです。

確かにどんな建材を使ったのかでも違ってくる場合がありますし、建て替えさせられるかどうかは大きな違いを生みますが、机上で式をこねくり回して強度が一定以上になったとかならなかったとか言うのは、それこそ机上で数値をごまかして強度偽装をしたのと何ら変わりない訳で「何か変」としか言い表しようがないですね。本当にそんなことで満足できるのでしょうか…


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