The Green Hills of Earth
かすみさんの「キリンも考える」の「子連れは邪魔?」を拝見しました。
欠陥温風器問題で松下電器産業が昨年から日本の全世帯に葉書を出したり、テレビなどのメディアでお知らせをしてきていますが、対象の152,132台の内97,628台の所在を確認できたと中間発表をしました。現在も10〜20台/日の割合で所在が明らかになっているとのことです。 所在がつかめていないのが約54,000台ある訳ですから、全ての所在を突き止めるためには20台/日として2,700日…約7年半掛かると言う事でしょうか。多分そう言うことではなく、最後の何千、何万台は所在が判らないまま保留となってしまうのでしょうね。ただでさえ10年以上も前の製品です。今でも使っているなら調べようもありますが、すでに廃棄してしまっていたなら、何年も前に買ったヒーターの型番が何だったか覚えている方が珍しいと思います。「松下」と言う大きな看板を背負っているためにここまで大がかりな対策を取っている訳ですけれど、果たして松下はいつまで、どこまでこの対応をするつもりでしょう。 ヘタに打ち切って又死者が出たとなれば、その影響ははかりしれません。そう言う事でのイメージダウンより、例え巨額の費用がかかっても「責任を持って対応する企業」というイメージを植え付ける事での宣伝効果を考えた場合、そして実際にまた事故が起こった時の心証というものを考えた場合も、この対応は続けていく方が松下としては得策でしょう。当然、企業ですからそう言う考えが先にあったと思います。「もう充分やったじゃないの」と私は思うのですが、現場の判断は「まだまだ油断してはいけない」と言うことなんでしょうね。しかし、これが基礎体力のある大企業手本問うに良かったのでしょうね。所在を突き止めた9万台の内、5万円で松下が買い取ったのが5万5千件、無償修理をしたのが1万8千件だそうです。10年も恩恵に預かっていて、5万円ももらって引き取って貰うなんてなんと運の良い事でしょうね。まぁ「死と隣り合わせだった」と言う部分もあった訳ですから手放しでは喜べないでしょうけれど、ファンヒータ界のGT-2000※1と言う所でしょうかね… 松下さんがどこまで対応をされるのか、密かに注目をしています。 ※1YAMAHAのGT-2000と言う根強い人気を持つレコードプレイヤがあり、10年以上経過した今でも買った値段より高値で売れているのです。
キャノンと東芝は、共同開発しているSED(表面電解ディスプレイ)搭載テレビの発売時期を今春から来年の秋以降に延期すると発表しました。 プラズマや液晶テレビの低価格化が予想以上に速く進行し、量産コストの削減が間に合わないと言う判断からの決断だそうです。 消費電力が大きかったり、パネルの寿命が短かったり、動きの速い画像の追従性が悪かったりと言うプラズマや液晶の欠点を全てカバーして「次世代薄型テレビの大本命」と期待されていたSEDの延期はちょっとショックです。更に、この延期でもう1年半プラズマと液晶が薄型テレビのシェアを奪い合う形となり、遅れて登場するSEDが奪えるだけのシェアが残っているか疑問で、もしかしてこのまま発売されずに終わってしまう可能性もあると心配されているのが怖いです。 先日床屋に行った帰りにSONYのお店に立ち寄ってブラビアというSONYの液晶テレビをじっくり見てきました。シャープの独壇場だった液晶テレビの牙城を崩したテレビと言うだけあって確かにとてもきれいな画像を映していました。しかし、46型のサイズで50万円と言う値段はちょっと簡単に手が出ません…と言いつつ、うちにあるハイビジョンテレビは定価90万くらいしたと思いますが(当然定価では買っていませんけれどね)…今までの推移から考えてアナログ地上波が停止すると言われている2011年まで待てば同じ大きさのテレビが半額とは言わないまでももっともっと安くなるだろう事は予想できます(私の買ったテレビ、2年後には1/3の値段になっていました)し、私は以前もぶち上げましたが「薄型テレビの本命は60インチ」だと思っています。もしかしてそれ以上かもしれませんけれどね。つまり、見た目6畳間の短辺一杯に広がる大きな画面が主流になると睨んでいるのです。今までのブラウン管方式では奥行きも取るため、大画面テレビでは1〜1.5畳を占有されていたものが、この薄型テレビなら厚さ30cmもあれば設置できてしまうのです。そしてハイビジョンという高詳細画面は画面の近くで画像を見ても目が疲れないと言う利点がありますので、大画面で迫力のある画像を楽しむと言うのが受け入れられるはずなのです。カーナビの7インチくらいの画面と20インチ以上のテレビで見る画像では迫力が違うでしょう。それと同じで32インチと60インチではかなり大きな違いがあるはずです。茶の間に座って覆い被さってくるような迫力の大画面でスポーツ中継を見るなんて楽しいんじゃないでしょうかね。 それを実現するにはSEDテレビが最適と思っていただけに、発売延期という競争の土俵からこぼれ落ちる発表はとても残念です。しかし、逆にプラズマや液晶が予想を上回る早さで低価格化が加速しており、更に韓国のLGフィリップスLCD社では100インチの液晶パネル開発という発表がありました。先日は松下が103インチのプラズマを開発したばかりです。大型競争もどんどん拍車を掛けて、大画面薄型テレビが低価格で提供される日が早く来てくれるといいなぁと思う次第です。 リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |