The Green Hills of Earth
今日はとても暑い夏のような1日でした。 帰宅してニュース番組を見ていたら(まぁそのニュース自身は今朝か昨日から言われていたようですが)、「あの福知山線の事故にJR西日本の運転士が2名乗り合わせていたのに、救助活動に加わらず出社し、運転業務に就いていた」のだそうで、それをCXの「スーパーニュース」で木村太郎は「人間失格」と切り捨てていました。でも、本当に人間失格なのはその運転士なのか、それともそんな見識しかない木村太郎なのかどちらなんでしょう。 事故の列車に運転士が乗り合わせていたら救助に参加しなければならないのでしょうか。救助をするのは専門家がやるでしょう。木村太郎の三段論法に従えば、その日JR西日本は全線運休して全ての人がここに救助活動に行かなければならなくなります。果たしてそれは正解ですか。ここで専門外の救出活動をして専門家の足手まといになる事を選んで、本来自分が乗務するはずだった列車を運休させたり、ただでさえ混乱している管制室を(代替運転手の手配などで)更に混乱させる事が正しい手段でしょうか。私には愚かとしか思えません。 感情的に考えれば「JR西日本の社員で、自分のところが起こした事故なんだから、おまえが救助に参加するのが当たり前だ」と言いたくなるのかもしれませんが、冷静に考えてみてください。それがどんなに愚かで無意味で役に立たないバカげた事か。もし、火事で燃えさかっている家で消防活動をしている消防士の所に、「あの家には私の子供がいる。私の子供だから私の責任です。私が助けに行きます」という人が居たら消防士は「そうか、君の責任だから頑張って行ってこい」と言いますか?言わないでしょ。そう言ったのがその家に火をつけた放火犯でも一緒です。感情的には「おまえ、責任取って焼け死ね!」とか「絞め殺してやりたい」と思ったとしても、でもそれはやっちゃいけない事でしょ。消防士は「消火活動の邪魔だからどいていろ。自分たちが救助します」って言うんじゃないでしょうか。 どうしてJR西日本の社員だからと言って救助活動をしなければならないのでしょう。私には理解できない愚かな批判にしか思えません。救助は専門家に任せて、自分たちは自分たちのできる事をする。それがプロの仕事って言うものじゃないでしょうか。また、もしこれで運転士が救助活動に参加して他の路線が運休になったりしていたとしたら、テレビはおもしろおかしく「事故を前に職務を放棄して救助活動。しかし、何もしていなかった(できなかった)」と報道するのではないでしょうか。 JR西日本の運転士を「人間失格」と言うより、その無責任で愚かな事を得意げに言って視聴者を煽り、更には報道と称したゴシップと野次馬を混同したバカ番組で情報を操作し、視聴率を上げるために遺族をもてあそび得意になっている木村太郎とその番組、君やテレビ局はJR西日本の運転士に対し真摯な態度で「自分たちが人間失格でした」と謝罪するべきだと私は心の底から思いますよ。 ※たまたま私が見たのがこの番組、この木村太郎だっただけです。この番組だけが憎い、悪いと言っているのではないので誤解無きように。 リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |