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2005年03月18日(金) フジテレビについて思うこと

今夜、フジテレビが独占中継する世界フィギュアスケート選手権があるからと言うことなのでしょうけれど、16時から「プリンセスストーリー 〜安藤美姫 夢はトリノで〜」という番組を放送していました。

そのプリンセスストーリーというものを何気なく流し見していたのですが、そのスケートのシーンを見て思うのは、これはこの選手だけではなく日本の歴代の選手全員に言えることなのですが「表現力がないなぁ」と言うことです。まぁ悪い言葉を使えば、自身でさえ良い成績を残せなかった世界から見たら三流四流がコーチをせざるを得ないのですから仕方ないと言えば仕方ないのでしょう。世界的に有名なバレエなどの土壌を持っているとか、ダンスが生活の一部というようなお国柄ではないのですから。
ただ、オリンピックや選手権で世界のトップを競う選手の手指の表情と見比べると、日本の選手のはただ手を上下しているだけで何も表現をしていないんですよね。種目は違いますが、そんなだからアテネオリンピックのシンクロでは変なテーマを表に掲げてごまかさざるを得ないんじゃないかなと邪推しています。
表現力がないから4回転などの技術に走るんだけど、それをするために助走する時間が長くなり更に表現力が無くなると言う悪循環になっている気がします。いや、これは日本だけではなく世界中がそんな感じになっているようにも思えますね。
昔、テニスは「優雅なスポーツ」でした。そんなに昔じゃなくてもクリス・エバート(・ロイド)などは本当に美しいテニスをしていましたね。同じ時代のキング、そしてナブラチロワ等が女子テニスにもパワーテニスを持ち込んで、それ以来力のぶつけ合いになってしまったんですよね。
「スポーツマンシップ」ってなんでしょう。
私は「アマチュアが正々堂々と勝負をする」という事だと思うのです。つまり、勝負の結果よりその経過において、自分の実力を出す努力をすることとフェアプレイを遵守すると言うことであると思うのです。しかし、プロの世界は「勝ってナンボ」の世界ですし、プロとしては勝つ事が目的である訳です。プロレスの世界のように4カウントまでの反則は認められている世界がプロなんですよね。先のテニスはプロの試合ですから勝ってナンボとパワーテニスに走るのは仕方ないのでしょう。しかし、アマチュアの世界は「スポーツマンシップ」を大切にして欲しいと思う次第です。

閑話休題

スケート大会の独占中継権を獲得したから、できるだけ視聴率を確保したい。それは民放としては当然でしょう。しかし、その為に選手のプライベートを切り売りしたり、特定の選手にのみ密着取材を行ってドラマを作るというのは如何なものなんでしょう。
先日のシャラポアが来日した時もそうでしたが、一人注目の選手がいると、それにばかり目を向けて、他の選手のことは蔑ろにする。その辺のミーハー、ヨン様を追いかけるおばちゃんと同じレベルでしか取材ができない「公共の(?)」マスメディア…
プロ野球で巨人だけをクローズアップする事で偏った世界を築き上げて、それが否定されている今になってもまだ同じようなことしかできないテレビ局。本当に必要なんでしょうかね。
刹那的な今この瞬間だけの視聴率しか考えておらず、スポーツマンシップを踏みにじっているようにしか思えません。「公共」であると自負をするなら、自分の責任の大きさを考えて、もっと広い視野でスポーツの裾野を広げる何かしらの努力があっても良いのではないでしょうか。今のフジテレビには、疑問しか思い浮かばないのが残念でなりません。


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