The Green Hills of Earth

日記内検索は目次ページにあります。
☆★CF-W2関連:「分解/HDD交換」 / 「キー清掃」★☆

2005年03月11日(金) なぜ他局はフジ・ニッポン放送を叩かないのか?

TOBで想定ラインより上の36%まで持ち株比率を高めたフジテレビでしたが、今日、裁判所はニッポン放送がフジテレビに対して巨額の新株予約権の発行を決めた問題に対して、ライブドアの主張を認め、発行を仮に差し止める仮処分決定をしました。

今日も腰が痛くて泣いているので短めの文章でお茶を濁しますが、日本の株式の透明性、公平性を問われる大事な裁判で、正しい処分がなされたと胸をなで下ろしています。
司法は

  1. 新株予約券は支配権の維持を目的としている
  2. ライブドアが支配権を握っても著しく企業価値が損なわれることが明らかとは言えない
  3. ライブドアが支配権を握っても公共性が失われるとは言えない
と言う判断をした訳です。

どれもこれも、全くその通り。この判断が出てすぐニッポン放送はすぐに保全異議を申し立てたと言うことですが、これを覆す材料があるでしょうか。あるとしたら裏金とか政治的圧力と言うことでしょうか。
ニッポン放送側は「ライブドアの株取得方法はフェアではない」とコメントをし、それで得た株の名義変更を拒否する構えも見せているそうです。
普通は行われない方法ではあるとしても違法ではない手段で株を取得したことを「フェアではない」と言うのは如何な物でしょう。さらにニッポン放送の社長は名誉毀損とも受け取れる発言もしていたように見受けられます。
バブルの時期を通じて株式は多少一般にも知られるところとなり、欧米にも通用する開かれた株式を目指しているように思っていましたが、今回フジテレビやニッポン放送が見せた態度は、まるで株式会社を私物化する人たちの反応でしたね。株式会社では株をたくさん集めた人(企業)が勝ちなんです。奪われたくなければ、しっかり株を抑えて支配権を手元に置いておけばいいのです。それを怠って、「これは俺の物だ。ここまで育ててきたのに、横から手を出すな」と言うのは株式会社としては全く通用する話ではありません。
今回TOBに応じた企業も損をしてでもフジテレビを守れと言う決断を下した訳で、まぁこういう株主の利益をないがしろにする会社は残念ながら叩けば埃が出る体質の会社なんじゃないかと言われても仕方ないのではないでしょうかねぇ。

そして今日、裁判所の判断が下された時、殆どのテレビ局はその事について放送をしていました。どの局もフジテレビ・ニッポン放送の方が正しいと言う意見に導こうとしているように思います。しかし、違法ではない方法で株式を取得したライブドアに対して、普通では納得出来ない方法で支配権を維持しようとするフジテレビ・ニッポン放送と言うことをもっと掘り下げる局があっても良いのではないでしょうか。なぜ、他局はもっとフジテレビを叩かないのでしょう。同業相哀れむって事ですか。これで本当に「公共のマスメディア」と言えるのでしょうか。私にはそうは思えませんでした。


目次(検索)前へ後へHomePage


リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。
mail address
COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010