The Green Hills of Earth
私の知り合い(女性)で、結婚後女性の姓を名乗る夫婦が数組いらっしゃいます。 その人たちが当然のように配偶者のことを「婿養子」と言うのが気になっていたのです。私の考えでは、単に婚姻届を出す時にどちらの姓を名乗るかと言う違いだけのように思うのですが、なぜ、わざわざ婿「養子」と言うのだろうかと。 調べてみたら簡単に答えは見つかって、まぁ昭和22年まで生きていた法律の上では当然のように男社会であって、この法律の上では、結婚したら男性の姓を名乗って男性の家に入るのが当然、男性の親の面倒を見るのが当然で、それに反する場合は一度男性が女性の親と養子縁組をして女性の家の子供となった上で、その女性と結婚をすると言う制度になっていたからなんですね。男子たるもの女性の家に入るなどとはまかりならん。女性の親と養子縁組し子供となった後、女性を読めとして迎えるべしという事なんでしょうねぇ。今より体面が大切にされていた時代ですからね。「婿養子」と言う言葉があるのに「嫁養子」と言う言葉がないのも、そのような背景があって、平等な考え方で言えば嫁をもらうときにも嫁を養子にしてしまう方法があるのでしょうけれど、その必要がなく、嫁は結婚したら夫に従うもの、(嫁いだ先の)親の面倒を見るものとされてきたからでしょうね。それ以降法律が改正されて、今はわざわざ女性の家に入るために養子縁組をする必要はなくなりましたが、それでも少しはいらっしゃるのでしょうかね。まぁ兎に角、「養子縁組」と言う呼び方だけが残って、実際には養子縁組はしていないのが現状のようだと言うことが分かって一段落です。
今の法律、今の社会に慣れた人には「とんでもない差別だ」とか思われそうですが、今では信じられないようなこの差別も当時はこれが当然で、何の疑問も持たないものだったのだと思います。時代は変わって、男女は少なくとも表向きは平等となってきているのだと思いますが、そんな現代でも女性が配偶者のことを「主人」と言うのをよく耳にするんですよ。どうして、この言葉が生き残っているのかとわたしはとても不思議に思います。いの一番に撲滅されるべき言葉だと思いませんか。 「主婦だから旦那様に養ってもらっている」なんて言ったら怒る女性がたくさんいるんじゃないでしょうか。また「主婦なんて三食昼寝つきの楽な仕事だ」なんて思っている男性がいるとしたら、それはとんでもない間違いだと思うし、本当にそんなことをしている主婦がいるとしたら、まぁうらやましいことだと思います。どちらかが養っているのではなく、協力して生活をしているわけでしょ。それなのに、「主人」とはねぇ… じゃあ、どう呼べばいいの?といわれたら、「夫」で良いんじゃないかと思う訳ですし、砕けた場所なら「だんな」でも「連れ」でもそれこそ何でも良いんですけれどね。「主人」って言葉は男のわたしが聞いても寒気がするほどイヤな言葉です。 …昔、まだ中学生のころだったでしょうか。兄が友達を連れて家にやってきました。そこで、普通に「弟の○×です」って挨拶をすればよかったのに、どうやったら丁寧な挨拶になるだろうと無い頭を絞って考えてでた言葉が「兄の弟です」でした。これにあわせたら、会社に電話をかけて夫を呼び出す時に「夫の妻ですが、○×をお願いします」とでも言うようなものなんでしょうね。阿呆な言葉ですね。でもね、自分の配偶者を「主人」と言うよりはマシかなぁと思うんですよ。皆様におかれましては如何お考えでしょう。
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