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2004年09月04日(土) 時計

米国立標準技術研究所(NIST)は、指先にのるほどの大きさのセシウム原子時計を開発したそうです。
現状での大きさは1立方センチほどと言う事ですが、まだまだ小型化される可能性はあるのでしょうね。世界の標準時間を刻むセシウム原子時計は2000万年に1秒の誤差といわれる精度ですが、さすがにこの大きさのものは精度が悪く300年に1秒の誤差だそうです。

先日テレビで、「どれくらい時間がずれていたら気になるか」というアンケートをしていました。私の周りにはなぜか鉄道オタクが多く、得てして鉄道オタクの人は時間に厳しい傾向にあります。時間通りに運行したいと言う事なんでしょうね。折角年差数秒のグランドセイコーを持っているのに、1秒狂っただけで、いや、時報と同時に秒針が動かなかったからと「時間が狂っている」なんていって時刻合わせをする人までいますからね。
で、テレビのアンケートの結果、平均は5分。5分くらいまでならずれていても問題ないのだそうです。まぁ、アンケートをとったのが東京だと思いますから、地方と違って列車も数分に一本あるし、時間にルーズでも困ることがないという状態なのだと思いますが。
私も、時間にはそんなに神経質ではありません。まぁ客先に行く時には絶対に遅刻したくないとは思いますけれど、そういう時は余裕を持ちすぎる形で行きますから、時計なんて数分狂っていたところで何の問題もないですね。つい最近まで20年以上私の腕時計の主役だったCITIZENのLEOPARDはカタログ上は月差10秒位の時計なんですが、電池交換した時に時間を合わせたら、後は次の電池交換までいじる事は殆どありませんでした。その結果最後の方は数分ずれていたようですが、まったく気にしませんでしたね。そして今、私の腕にはまっているSEIKOはゼンマイ時計ですから日差何秒の世界です。ですから、誤差なんて気にする気にもなりません。でも、ゼンマイ時計とは言え、SBGW005の9S54キャリバーは結構正確ですけれどね。
理詰めの人は「正確な時計があるのになんで不正確な時計を買うの?」とゼンマイ時計を買った私に詰め寄ってきます。私もそれを理詰めで説明する事は出来ません。単に毎日ぜんまいを巻くのが楽しいから。毎日面倒を見るのが楽しいから。それしかないんですよね。そして、世の中の常識がセシウムの刻む時刻だとしても、個人個人にはその人ごとの誤差がある時計を持っていると言うのは、人と人の交わり、世の条理不条理が納められているんですよね。私はそんな風に思って時計を眺めています。そこに狂う時計の面白さがあるんですよ。

今でも電波時計が誤差がない事を謳っています。まぁ電波の状態が悪いところでは月差15秒の時計になってしまうのですが、通常の生活をするにおいては、一ヶ月も電波を受信できないところにいると言う事はないでしょうけれど、海外に頻繁に行くような人は、電波時計は役に立たないのかもしれません。そういう意味では何もしなくても300年に1秒と言う誤差のセシウム時計の方が実用度は高いように思います。大体、うちにも電波時計はあるのですけれど、鉄筋住宅だと電波の状態が悪いようですし、何よりもこちらは時報の「ぴっぴっぴっぽーん」でぴったりになるのを見たいのに、あやつめはその「ぽーん」で時刻合わせを開始するんですよね。それがかったるいと言うかいらいらすると言うか腹立たしい限りですから、正確な時刻を刻む時計を一つ買うとしたら、私はセシウムに一票をあげたいと思う次第です。今の電波時計でもそうですが、太陽電池と組み合わせたり、自動巻き発電と組み合わせたりして、電池交換のいらない半永久的に動くような時計がある訳ですから、これにセシウムが組み合わされたら本当に死ぬまで一度も時刻合わせをする必要のない時計が生まれるんでしょうね。それを望む人もいるでしょうけれど、理詰めだけで面白みがないと思う人もいるんです。人の好みってそういうものですよね。もし一つしか正解がなかったら、物凄くつまらないと思いますもの。


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