エンディミオン

大河SF「ハイペリオン」シリーズの第三部「エンディミオン」読了。文庫本で上下2巻が短い短い。もっと読みたいっすー。ハイペリオンシリーズは,とにかく物語がシンプルで力強い。長大なストーリーの中で,徐々に謎が明かされていくスリルも最高ですな。この物語の強さが,ハイペリオンシリーズ最大の武器でしょう。

「エンディミオン」は,シリーズの中でもシンプルなストーリーで,基本は追いかけっこ。逃げるは時間の墓標を抜けて過去からきた少女にして,キース・サイブリッドの娘アイネイアー。追いかけるは銀河を支配するキリスト教会"パクス"の神父大佐デ・ソヤという構図で,とにかく飽きさせないっす。アイネイアーがいくところ,前作で滅びたはずの超AI「テクノコア」の遺物である転移ゲートがよみがえり,星から星へと逃げ回るんだけど,追いかけるデ・ソヤの乗る大天使級宇宙船は,乗員の生死を無視した超光速の加速を行うというブツ。すさまじい加速で押しつぶされた乗員は,「ハイペリオン」にも出てきた忌まわしき"聖十字架"によって蘇るというおそろしい仕掛けになっているのであった。とまあ,こんな話が満載。

SF版「隠し砦の三悪人」って感じかなあ。魔神シュライクも健在ですが,これにタメを張る怪物まで登場して,いつまでも読んでいたい小説でっす。
2002年04月16日(火)

ま2の本日記 / ま2