煙の殺意 |
『煙の殺意』読了。ずっとずっと昔にハードカバーで読んだけど,構成が違う気がするので,文庫で新刊になったのを気に読み返してみた。これ読むと,ますます大阪圭吉の悪いところが見えてくるなあ。
泡坂妻夫の短編は,短いながらも魅力的な謎があり,印象的なキャラがいて,読者を引き込むプロットがあり,合理的で意外な解決がある。短編推理小説のお手本ですね。表題作『煙の殺意』には,異常にテレビが好き(殺人事件の現場でデパート火災の中継を見ている)な刑事と,異常に死体が好きな検死官が出てきて笑わせながらも,そのキャラがまた伏線になっているあたりが実に素晴らしいです。
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2001年12月10日(月)
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