盤上の敵

『盤上の敵』って,エラリー・クィーンの小説にあったよね。こっちは北村薫。ミステリはミステリなんだけど,トリックというよりプロットのひねりで読ませるタイプ。

主人公の自宅に殺人犯が立てこもってしまう。自分は外にいて,奥さんが家にいる。主人公はTVディレクター。このシチュエーションから,チェスのように駒が動き出します。前半は,いったいどこに着地するのか分からないような話が続くんだけど,特筆すべきはここに出てくる悪意の塊のようなある人物でしょう。怖いっす。その人物がいったい事件と何の関係があるのか..ラストまで気が抜けないですな。作者本人が前書きで書いているように,さわやかな読後感を求める人には不向き。
2001年10月22日(月)

ま2の本日記 / ま2