Diary




2001年12月12日(水)
ねぎを刻むようなこと。

 なんだか今日はよくおなかがすいた。早起きしたからか。

 今日はJRを利用して赴くバイトの日であった。雪の所為で乱れているダイヤをこの身で実感。
 帰りなどは降りる駅のひとつ前で10分以上止まっていて、なんとも小説が読み進まれてしまった。
 現在は数冊を同時進行で読んでる。春樹さん羊をめぐる冒険、梨木香歩さん西の魔女が死んだ、辻仁成のエッセイ、詩集、などなど。


 冷静と情熱のあいだが、今週の金曜日で上映終わるのですがバイトやゼミでもう見に行ける時間が無い。レンタルビデオ待つか……。ちくしょう。残念である。
 ↓、月曜の日記に夜に見に行きたいって書きましたね。えーと、行ったのです。
 でも映画館がしまっていたのだ。
 陰陽師を見たときも、本当は冷静と情熱のあいだを見に行ったのだけれどほかの映画の先行上映でやってなかった。
 つまり二回もだ。なんともタイミングの悪い。
 月曜の夜は、ひとりで、地下鉄乗って、ちょっと夜一人歩きするには怖い地域にある映画館まで行って、そしてやってなかったのだ。
 ふつっと糸の切れるごとくには、多少、絶望した。

 絶望は地下鉄にくっつけて無理やりどこかへ沈めた。
 南北線に一往復以上乗ってみた。夜中のピクニック。何にもならない無為の行為。酔うまで本を読んだ。最南の終点の駅で缶コーヒーを買って飲んでそして帰ってきた。
 南のほうでは地下鉄が地下鉄で無いということを知って少しびっくりした。


 高校1年か2年、多分1年だと思うけれど、テスト前の二月の中旬のある日、似たような気分で似たようなことをした。
 図書館で勉強していて、お昼をコンビニに買いに行こうと思って、戻りたくなくて、コンビニが見つかるまで、と、知らない道をひたすら歩いた。冬道を30分くらい歩いて、ローソンで確かえびグラタンを買って、公園で一人で食べて、別の道を通ってまた30分くらい歩いて一人で戻ってきた。
 そのときの、プラスチックのフォークは洗ってしばらくペンたての中にずっととっておいた。
 二月の中旬のある日。たぶん高校一年の。

 ある日、って言うのはうそです。はっきり記憶している。バレンタインだよ。
 私は逃げたかったんだ。そのとき。現実から。東のほう、中学校の隣のマンションに住んでるある人の家から、その人の生活圏から、できるだけ遠くに一時的にでも。
 ひたすら歩いてみたんだ。 ……ナイーブだなぁ。

 そういう行為は、何にもならないけれど少し眠るくらいの分には私をほかのところに連れてきてくれる。
 絶望だとか孤独だとかを融かして馴染ませてくれる。
 その是非は知らない。逃げであることは多分確かだけれど。


 地下鉄の料金は状態変化量だから、たとえ一往復以上乗っていても改札出なきゃ少ない料金でいいでしょう。
 手段として素敵だった。この街のそんなところを好きと思う。


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