英語通訳の極道
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2003年04月18日(金) 伸び悩む英語、落ちていく日本語

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だから、私はいつも日本人に忠告する。どんなに英語やその他の外国語が得意でも、絶対に日本語を錆びさせてはいけないと。

何度も言ってきたが、外国語はあくまで外国語。表面的には流暢な英語を話して、完全にマスターしたように見えても、100%ネイティブと肩を並べるのは、不可能ではないものの、至難の業だ。

日本語を磨きつづけておかないと、思いのままに操れる思考・表現の道具がなくなってしまう。

私は若い頃から英語を生活の道具、メシの種にしてきたが、もし今、英語か日本語、どちらかの言語しか使えないという選択を迫られれば、迷わず日本語をとる。

英語では、いくら頑張ってもネイティブのインテリに適わない。自分の心の中、思考の奥底を一番表現できる手段は、日本語をおいてない。

*    *    *

さて、劣化した日本語という問題。

アメリカから帰国することになった私は、危機感を抱き、日本に戻ってすぐ漢和辞典と国語辞典の電子ブックを買った。そして、一日中、本を読んでは辞書を引いていた。今でも、電子辞書や紙媒体の辞書が家中あちこちに置いてあり、分からないことはすぐに引く。

こうした努力にもかかわらず、私の日本語は未だに満足できるレベルにない。多分一生地道に辞書を引き続けないと、自分の日本語は使い物にならないだろう。

*    *    *

実は最近、新たに困っていることがある。

帰国当初、英語を聞いたり話したりすることは非常に楽だった。ところが今は、「あれ、ほら、その」、得意分野ですら、英語の表現がすぐに出てこないことがある。そこまで出かかった単語を掴もうとして、一瞬立ち止まってしまう。

英語のニュースや映画を見ていて、集中していないと聞き逃すことがある。英語の新聞や雑誌を目の前にして、圧迫感を感じることがある。

日本にどっぷり浸かって、もうすぐ8年。



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が大変になってきた。


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