英語通訳の極道 Contents|<< Prev|Next >>
Continued from previous page. 外国語を学んでいる時、もがき苦しむ姿と同じではないか! 母国語であるはずの日本語が、知らない間に外国語になっていく‥‥ 決定的だったのは、日本語の文章を見ていたある日のこと。突然、漢字が、意味の塊としての文字ではなく、まるで絵か図形のように見え始めた。ずっと使っていたはずの漢字なのに、何かおかしな線の組み合わせに見える。そして、その一つひとつが漢字として正しい形なのかどうか、直感的に即断できない。 私の頭の中で、文字のイメージが壊れていっている! 一方で、英語はどうか。 普段は不自由を感じていないものの、やはり第二言語だ。どこかスポッと抜けている知識や、イメージとして描けない抽象的な言葉も多い。自分の得意分野や専門分野、日常生活ならともかく、それ以外の知的な思考あるいは会話の途中で、たまに表現を探して立ち止まる自分がいる。 英語では、まだ完全にすべての思考を行えない。表現力もボキャブラリーもイメージも足りない。また、日本文化にかかわる部分では、とうてい英語で表現しきれないことも多い。 思考のための言語が揺れる。頭の中に存在する概念を言語化できない。歯がゆい。脳が欲求不満でぐらぐらと煮詰まる。イライラが募る。と同時に、恐怖を感じる。 失いつつある! 伸び悩む英語、落ちていく日本語。 外国に長く住んでいる人が陥る、一番怖い状況だ。 To be continued...
Taro Who?
|MAIL
|