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2006年12月11日(月)   想い。  

首都高で、両国国技館が見えるあたりで、



『ああ、俺、去年の今頃、仕事でここら辺に来たな』




ふぃっと懐かしそうに云うから。
まだ足を踏み入れたことの無い土地をじっくりと眺める。
国技館、江戸東京博物館、ドコモのビル、隅田川。




『まさか一年後に此処を彼女と通るなんて思わなかったよ。』




そういって、頭を撫でてきた。




こっち(東京)に帰ってくる理由が少し出来たと云う。
居場所が出来たと。
それはワタシの存在であるらしいのだけれども、
そういわれて、嬉しすぎてはち切れそうになる胸をおさえる。




あ な た は い つ か 帰 る 人 。




そう、自分に言い聞かせる。




涙が溢れて、とうとう、
そのヒトコトをゴリに投げてしまった夜。



あなたはどうせ、帰る人。



ワタシが習慣化しつつある、週末のゴリ邸訪問も、仮の住まいへの訪問に過ぎず。



言葉の端々に『帰る』前提で進められる様々な内容に
ワタシは気がつきつつ、強がって、がんばっていたけれど、
たまに切なくなるんだと気持ちをぶつけてしまった。




でもそれはワタシの気持ちの持ち方の問題で。
ゴリに何かしてくれと願う事柄でもなく





『約束はできんけど。』





そう前置きをしたあとに





『不安にならんくていいよ』






そういって、結局私を受け止めた。






同い年というのをたまに忘れる。
ゴリはワタシよりも我慢強いし、大きい。
喧嘩をふっかけるのはいつも私だ。
嫌なことを嫌だとすぐに反応してしまうのはワタシだ。


ワタシがウワーッといいながら、ゴリに抱きつくとき、
ゴリはゴリで、本当にコイツは同い年か?と思うらしい。





感情表現が露骨なのは昔から変わらない。





人をこんな風に想う日が来るとは思わなかった。




元旦那と付き合って、結婚まで押し切った頃の私。
離婚して彼氏も出来たけれど、
どこかで痕跡を残さないように、別れる時を感じつつ、
好きなのかそうでないか解らぬまま、
ただ、相手の優しさに甘えていた時期、
もう旦那を愛したように、人を好きになることは無いだろうと思っていた。




ゴリが居場所が出来たと私の頭を撫でたとき、
私の中であまりにもゴリの存在が大きくなりすぎてることに気が付いて
少し、怖くもあったんだ。



今までの付き合い方のように、
常にダラダラ続く旦那の存在や、
遊び友達や彼氏の頭がよぎる付き合いじゃなくて、
ゴリ1人を想う状態は、想像していた以上に、ワタシを占めている。


逃げ場を作り続けた私が、
逃げ場を作ることを躊躇している。


人にはまりたくなんて無かったのに。
時は既に手遅れらしい。



スキだと云ってしまえば其れまでになる。
愛しているのかと聞かれたら、まだ其処まででもないと冷静に判断する。
それでも、大事だということは揺るがない。


出来る限り、一緒に居たい。








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