日記 INDEX past will 2005年12月11日(日) 武装聖母 昨日の披露宴最中 式場の司会の方と打ち合わせ 「お姉様から妹さんへ、なにかお伝えになりたいことはありますか。」 いえ特には 「(笑顔)せっかくですから何か?」 …うーん……そうだな そりゃまあ寂しいと言や寂しい 嫁に行かれて嫌だと言えばそうだ がこんな公共の場で プライドにかけても俺の台詞として”お嫁に行かれちゃうのは寂しいです”なぞと発表される訳にはいきません が公共の場です 身内にしか通用しない毒を吐くわけにも なんだこう その 意外に難しいぞおい 既に一瞬で 今訊かれた内容を忘れかけています 何かお伝えになりたいこと を訊かれただけですよ 別にお題貰ったんじゃないんだから ひねれとかオチをつけろとか言ってないから …そうですね いつでも戻って来い と 情と毒を盛り込みのつもりで 「(笑顔)……仲のよろしい御姉妹なんですね。」 すみませんでした 戻るは言っちゃいけないですね 嫁に貰ってくれる向こうのおうちもあるわけですしね 「ではご一緒に映画や遊びに行かれたりとか、お買い物なさったりとか?」 ええ まあ お見事な誘導尋問です 「解りました。後ほどお姉様には新婦様お色直しの際にエスコートをしていただきますので、宜しくお願いします。」 結局その 後ほどのエスコートの際には ちゃんと無難に流していただきました 「…ご一緒にお買い物をなさったり映画に行かれたり、とても仲のよろしい御姉妹だそうでございます。…」 流石です まあ毎日色々な方の司会進行なさることでしょう きっとものすごく困ったこと言い出す奴もいるに違いない むしろ今までで最も困った台詞とか訊いてみたい て昨日の手紙とかちょっと困ったと思います 無事に式が終わり披露宴が終わり 呼ばれてもいないのに2次会まで顔を出し 新郎新婦以外に知り合いは全くいない状態ですがぼちぼち楽しく飲み食い話し で2次会出る前に1度ホテル行って荷物置いて楽なかっこに着替えているんですが 実はホテルのロビーに貼ってあったポスターが気になって気になって気が気じゃありません 美術館でやってる展覧会のお知らせです タイトルは「プラート美術の至宝展」 マリア伝説とルネサンス という副題がついて ポスターもその通りマリア様らしき女の人が中央に ちょっと もう これは これは是非見て帰りたい 見ないで帰ったら後悔する予感 披露宴翌日 本日まずチェックアウトの後は親戚一同と一緒に新郎新婦に近くの名所等を案内してもらいました でそれはお昼くらいで終わって親戚は帰ったんですがおれだけ残って美術展へ この展覧会もうたまりません 来てよかった…! 昨日の今日でさぞやお疲れだろうとは思いますが午前に引き続き新郎新婦と一緒です つまり俺さえいなきゃ結婚したてのカップルが美術館でデート なのにな 新郎はおとなしく一緒に回って間違い半分の いや間違いだらけの独り善がりな解説を聞いてくれます 解って欲しいというより俺が話したいだけです 聞いててきっと恥ずかしいと思います Sさん人間できてると思います Mちゃんあんたいいひと選んだねえ その見る目のある妹は展示室内ソファで寝てます 本当に眠ってます それくらい疲れてるとこ申し訳ないが時間もかかる いやほんと楽しい 説明が日本語って素晴らしい 読めるよこれ(哀) 聖母マリアの被昇天 こういうタイトル自体は嫌というほど見ましたが 嫌じゃありませんが なぜ 昇天 ではなく 被昇天 なのか 考えたこともありませんでした 敢えて 被 と付いているのに気が付きもしませんでした マリアは天使や神じゃなくて人なので自力で昇天できないそうですよ 天使が持ち上げて昇天させるらしいですよ そうか! それで被か! それでいっつも天使がいっぱいいるわけか!!おおお絶対Kに言わなきゃ!!! あれ今見直したらキリストによって天に上げられるから被昇天 とか書いてある ? そっちか 俺の言ってるのじゃ物理的に持ち上げられるから被昇天になっちゃうか でも天使が運んでるよねいつも まあ一緒一緒 とりあえず マリア自身だけでは天に昇れないので被昇天 と なるほど 何か初めて見る聖人とそのエピソードがあります 洗礼者ヨハネの過去とかも初めて少々見ます ステパノ ユリアヌス ドメニコ ロッコ ああもう何だか 帰ってきた…! そしてトマスは非常に実証的な性格の弟子で とか言われると楽しくなってしまいます やっぱそんなキャラですか 不信のトマス イエスが復活した時にですね 彼はそれを疑ったので イエスは槍で刺された傷口に指突っ込ませて確認させたそうです 何か痛そうな絵がときどきあります とかいうのは見たり聞いたりしたことあったんですが マリアに関してもそのトマスのキャラが遺憾なく発揮されたようで マリアが天へと昇る際にたまたまトマスだけがそれを目撃していたそうなんですが 何か証拠をくれとそのマリアにお願いし 彼女の腰に巻いていた帯を貰い受けたそうです そういう人なのね 相変わらずなのねトマス ある意味真面目なのね 不信のトマスの逸話を思うだけでむやみやたらと親近感が沸いてきます ここでいう帯は 日本の着物に使うような帯とは違います もっと細い 飾り紐みたいな あ言うまでもないですか 着物の帯とか誰も考えませんか でもほら『帯』と言われたら 俺うっかり昇天するマリアが反物みたいな幅のものを投げそうになってしまったんですが なんですかそれ武装ですか 分かる方は何歳ですか 心の友よ しかも楽しくなっちゃうのは その帯はいまだにちゃんと残っていてプラートの大聖堂に厳重に保管されており ちゃんと年に何度か市民への顕示の儀式で祭壇から出され示されるそうですよ もう微笑が止まりません やべえKに Kに言わなきゃ…!ぜひその顕示の儀式の時期に行って本物見たい プラートの大聖堂内も見てきたい あ遅くなりましたが プラートというのはイタリアの フィレンツェから北西15キロほどにある都市の名前 だそうで しかし楽しい まだ見たいもっと見たい 美術展は今月末くらいまでやってるそうです …どうしようかな…
鈴木
MAIL
|