|| 2004年05月03日(月) GET ME POWER ||
■朝6時30分。私はまだ掃除をしていた。いや、正確には、昨夜いったん眠り、今朝、早起きをして再び掃除に取り掛かった、と言うべきか。 普段、掃除をしないわけではない。それに、四角いところを丸く、という性質でもない。が、怠っている場所はある。それがキッチンのレンジ周りだったりしただけの話だ。(いばるな) 朝のキッチン、手袋をはめ、アルミのたわしを握った私の、五徳を擦るゴリゴリという音だけが響く。早くやってしまわないと、お義母さんたちが到着してしまう。しかし、私には秘策があった。時計が7時を回った頃、私はその手を止め、一枚のMDを取り出し、それをポータブルステレオにセット、イヤホンを耳に突っ込む。流れるのは「SPACE BOY」・「RUNNING IN THE NINETIES」・「DON'T STOP THE MUSIC」・「HEARTBEAT」。 「DON'T STOP THE MUSIC」あたりでお気付きになられた方は、やっぱりコイツって、バカ?と思われたに違いない。けれど、誰もが一度は試したであろうこのスピードアップアイテムに頼る以外、私には手立てはなかった、とだけ言っておこう。 しかし、自分の作業の遅さは、手の遅さではなく要領の悪さにある、ということを、私自身がすっかり忘れていたということは言うまでもない。 所詮、雨が降ろうがケンタはケンタ、最白(平田広明を除く)の皆さんようにはいかない、ということだ。(岡野浩介さんに謝れ) そして、「BACK ON THE ROCKS(別名中里毅のテーマ曲)」が流れる頃、私と五徳との闘いは、私の敗北というかたちで終止符が打たれた。
「今もう下に着いたから荷物運んでちょうだい」 義母たちが到着したのは午前8時30分、っていうか、いったい何時に出てきたんだ!? 階下へ降りると、そこにはダンボールの山。
お義母さん、もしかして、引っ越してきたんですか!?←心の声
我が家の冷蔵庫をいっぱいにするためだけに、朝、4時に起きて来てくれた義父と義母。もちろん、孫会いたさもあるに違いない。それでも、お義父さんと二人、ビンボーな息子夫婦のために、考え付く限りの買い物をしてきてくれたのだろう。 そして、たった6時間ほどの滞在のあと、両親は帰って行った。結局、義母は一度も私のキッチンには足を踏み入れなかった。いや、私には初めから分かっていた。義母は、いくら嫁のキッチンでも、不用意に他人の台所へ入るような人ではない。即席かもしれないが、私が家の隅々を綺麗にして、義母たちを迎えたかったのだと思う。 いっぱいいっぱいの冷蔵庫、洗面台の下に納まりきらなかった洗剤やティッシュ、トイレットペーパー、その他の生活用品をダンボールに整理しながら、ちょっとだけ涙が出た。有り難かった。
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