囁き
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2001年02月14日(水) |
バレンタインデーというらしい、今日は 〜『恋愛の形』〜 |
昔はなんの関係もなかったはずだったバレンタインデーという行事。ただ、チョコレートを渡されるやつを憎めばよかっただけなのに・・・(死)
二つのチョコレートが届く。ひとつは、今の彼女。もう一つは、昔の彼女。
昔の彼女、といっても、そこまで過去の話ではない。恋愛感情というものは、その娘に対しては、もうないつもりなのだが、彼女に対しては、無数の罪悪感がつまとっている。僕は今、家の都合で、誰ともあわず、基本的には電話も出来ない身分になっている。僕は、彼女に別れる事を告げた。彼女は、過去に大きな傷をもっていた。心を許してくれていたのは、大げさではなく、僕だけだっただろう。しかし、僕に、別に好きな人ができた。そのことを告げることは、彼女の過去の傷に、更なる痛みを上乗せするだけでしか、ない。だから僕は、彼女にそのことを告げなかった。誰にも逢えなくなったという状況を利用したんだ・・・しかし、僕の存在がなくなるというだけで、自殺未遂を起こしてしまった・・・ 正直、彼女に対する思いは薄れていた。彼女は『強い僕』を求め、弱い僕を必要としなかった。結果、僕は、弱さをさらけ出すことはなく、彼女の前で偽り続けた。その時に、今の彼女と逢ったわけだが・・・
彼女は、こんな僕の事を、今でも待ってくれている。情けなくてしょうがなくなる。僕の記憶が、なくなってしまえばいいのに・・・今でも、彼女の事は心配。でも、それは明くまで友人として。けれど、そんな身勝手が許されるわけもない。僕は、彼女への連絡はきっぱりと断ち、HPの情報と、共通の友人からの話だけで、やはり、心配している。
チョコレートが来たことを、今の彼女に隠すわけにはいかない。来たことを話し、そのことで、彼女は涙を流した。 情けないことに、僅かな喜びが、あった。そこまで僕を愛してくれているという事に・・・自分が、更に嫌になる。彼女を傷つけていたのは、自分だというのに・・・そのことに、彼女は落ち込んでいるというのに・・・落ち込んでいる彼女に対して、何に対しても、全てに手を貸したいというのは、僕のエゴなのだろう。彼女が落ち込んでいる理由の、少なくとも一つには、僕が関係しているのだから。
人の心は、綺麗なものばかりじゃない。恋愛感情は、綺麗なものばかりじゃない。僕が、基本的にLOVE SONGを嫌う理由は、綺麗過ぎると感じるから。それでも清くありたいと願うのは、人として当然の事なのだろうか、それとも、そういうふうにしか考えられない自分が、嫌なのだからなのだろうか・・・
『恋愛の形 形にならない思いがある 思いにならない想いがある 幻のような君がいる 幻ならばなんて思う 自分の思いが分からない 振りきったって思っていたのに まだ君を求めているのかもしれない ただ寂しいだけかもしれない 恋愛の形を考えたことがあるかい? 予測もつかず、単純なものじゃない 違う数字がペアになることもあり スペード同士がペアになることもある だからと言って積極的には動けない 好きな人がいるから、だめ 君が嫌いだから、だめ 友達でいたいから、だめ ともかく君だから、だめ 多くの人がこの迷宮から 抜け出すことが出来ないでいる 否、抜け出すことをしないでいるのかもしれない 抜け出せばまた独りぼっちだ 心の中にいた人影は消え そこに残るのは、感情 幸せになってほしい 少しでも、近くにいたい 動きが取れないほどつらい その人が憎い 様々な心の灯火を抱え 人は人を求める 今、君のことをどう思っているのだろう 幸せになってほしい 少しでも、近くにいたい 動きが取れないほどつらい 君が憎い 全て違う気がして僕は答えを探す でも、恋愛の形は僕には見えなかった ただ、常に姿をかえている様を見て ほんの少し吐き気を覚えた』
いつ書いたんだっけな・・・自分自身に対してじゃなくて、周囲の複雑な恋愛感情を見ているときに書いたものだったのだけは、覚えている。『ありがとう』『さよなら』『まだ好き』なんて言葉じゃ、足りないくらいに、無数に感情がひしめいていると思う。例えば、殺してしまったりする事だって、現実には、ある。寂しさや、あてつけだけで付き合える事だって、一日だけの恋愛だって・・・恋愛感情は、黒と白の糸が、複雑で幾何学的な模様を織り成す、大きな大きなもの。そんな気がする。
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