いちげんさんおことわり - 2001年10月27日(土) まず、昨日の夕刊(読売)の記事からの引用。 ・・・・・・・ 打ち込みと一口に言っても、その目的とするところは様々に分かれます。攻めを含んだもの、模様を根こそぎ荒らすもの、値切るものなどです。 (中略) 今回は模様を値切る打ち込みを取り上げますが、この場合は「消しのテクニック」が必要になります。 ・・・・・・・ 打ち込み・・・ミサイルかな? 模様を根こそぎ・・・敵の秘密基地は、絨毯まで徹底的に襲撃するのか? う〜〜ん、アフガンでの軍事行動や諜報活動の記事・・・かも?? と、思われた方がいるかもしれないが、囲碁を知らなければ当然だろう。 実際、数年前の私だったら、「消しのテクニック」と読んだ瞬間に、ゴルゴ13の顔が浮かんだと思う。 実はこの文、レジャー&趣味の紙面、石井邦生九段の囲碁講座の冒頭部分なのだ。 囲碁・将棋の記事の場合、ある程度知っている人しか読まないという前提で書かれているとしか思えないから、知らないものにとってはちんぷんかんぷんである。 だからこそ、専門用語が少しわかってきて、その用語を使って話せるようになると、ちょっと特別な気分でうれしくなったりもするわけだ。 車やバイク、各種スポーツ、音楽などもまったく同じだろう。 使う言葉が専門的になればなるほど特別な気分は増大するし、同じレヴェルで会話できる人に仲間意識を感じたりするんじゃないだろうか。 結局はどんなことでも、勉強するなり経験するなりしなければ、話もできないということだし、逆に、まったく知らなかったことでも、繰り返し経験を重ねていけば、理解できる可能性はあるということだ。 こんなことは、あらためて書くまでもなく、本当にあたりまえのことなんだけれど、昨日アクセスしたサイトのヘッドラインが、あまりにもちんぷんかんぷんだったので、大笑いしつつ、ちょっぴり考えてしまったのだった。 ちなみに、その究極のちんぷんかんぷんは、ネイチャージャパンの最新の物理学系コンテンツだ。 「4粒子のからみ合いの成功」 三すくみ、っていうぐらいだから、四つも絡んじゃうと凄いんだろうな〜。 でも、四つの粒子って何? 「正孔をドープしたC60の52Kにおける超伝導」 う〜〜〜ん、とりつくしまなし。 それぞれ Nature に掲載された論文のタイトルなのだが、とにかく笑っちゃうほどわからない。 でも、このタイトルを読んで、「ほほぅ」と思う人や、「やられた〜!」と思う人もいるわけだ。 「いちげんさんおことわり」というのは、京都の老舗にかぎったことではない。 初心者がいきなり上がれない奥座敷っていうのは、どんな世界にもあるものなんだな。 ネイチャーの敷居もチョモランマ並みに高いっていうことだけは、良〜〜〜くわかった。 ・・・・・・・ ※囲碁記事の難解さについては、「碁石と親切」という宮沢章夫の名エッセイ(『牛への道』に収録されている)があって、べらぼうに笑えるので、機会があったらぜひ一読をお薦めする。 ...
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