あたしの眼を見ただけで、 落ち込んでるとわかるのだから、 4年という月日は、数字から受けるニュアンスより長かったのだろう。
浮気出来る人じゃないし、 そんな時間があったとは思えないし、 私に対して嘘は吐かないのが基本だから、吐いたらすぐわかる。
だから浮気なんてしてないとは思うけど。
新しく増えた受信メールのフォルダ。 名前はスペードの絵文字のみ。 そしてロックされているとなれば、 怪しいことこの上ないじゃない。
基本的に寺島を信じている私は、 浮気なんて欠片も思わなかったけれど。 生理前の鬱には効果的。 なんだかいつもより寺島の所作がおかしい(気がする)。 「浮気じゃないよ!」と笑って否定する様子も、なんか怪しい(気がする)。 (気がする)で簡単に落ちてしまえるのもこの時期。
毛布にくるまってただ寺島を見つめていたら、 私の眼を覗き込んで、 「何落ち込んでるの?」って。 疑っているような演技をしていた私は驚く。 思わず寺島の胸に飛び込んでしまう。 「落ち込んでなんか、ない」
ねぇ、ごめんね? もうあなたがいない人生なんて考えられない。
でもそう望む分、 あなたを飽きさせないように努力するから。
いつまでも、 「俺のこと好き?」 って聞かせてあげる。 そしていつまでも、 「大好きよ」 って笑顔でいてあげる。
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