2006年03月07日(火) |
ただ静かにゆっくりと薄らいで。 |
咽るような霧と雨があがり、 暖かい日差しと冷たい風が入り交じる、春の空気。
雨でテニスが出来ない、と舌打ちした昨日とはうって変わって、 満面幸せの笑みの寺島と過ごした今日。 最近の鬱々とした私を打ち明けたら、涙が出て、 あぁまた余計な心配をかける、と思ったのに、 寺島は「どうして泣くの?」と聞いて、抱いていてくれた。 どうしても欲しいときには手に入らないのに、 何気ない日常にふと見つかる優しさが、 だからこそか、愛しい。
一昨年の、今ごろ。 お互いに傷つけ合って、ひどかったっけね。 私はあなたを求めるだけで思いやらず、 あなたはそんな私にうんざりで思いやらなかった。 どっちもどっちで、ドロドロのまま縁を切った。 日記も散々だよ。 2年経った今笑えるなんて…あの頃は思いもしなかった。 本に書いてあることって本当なんだ。 この実感のために、日記ってあるんだね、多分。
何度も同じことを繰り返して、 日付も、起こったことの詳細も、 涙の記憶も、ただ静かにゆっくりと薄らいで。 それほどまでに時が経っても、 あなたの笑顔が見れるなんて。 そしてそのことが未だに、私にとって、 涙が出るほど嬉しいことだなんて。
未だ道が交わり、 確かに手をつないで歩いているから。 初めて同じ景色を見た明日を、 カウントしてもいいですか。
「私達の受験は…一昨年かぁ。 あの頃ひどかったね」
「そうだっけ?もうよく覚えてないな」
明日のことは覚えているか、 明日聞いてみよう。
明日から、5年目の日々だ。 今年は恋人同士で迎えた記念日。 って書き方はおかしいと思うけど(笑)
私も、元気出していかなくっちゃ。
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