under one umbrella

2005年07月03日(日) 幻かもしれない



「早く早く、ほら起きて。

用事があるんだから」



寺島がそう言ってあたしを起こす。
いつもより早い寺島の帰宅準備に、
あたしはだるそうに起きてみせる。
もっともらしく寺島の手をつかむ。


「はいはい…」



途端に顔が引き寄せられ、
寺島の唇が押し付けられた。



「いい“用事”でしょ?」



長いキスが終わった後
そう言って寺島はにこりと笑って、
ちょうどいい強さであたしを抱き締めてくれた。








今こんなに距離が近い理由が、
なんとなく頭に浮かぶ。
ここには書けないけれど、
もしそうなら、
必ずいつか壊れるんだろうと思う。
幻なのかもしれないと思う。


だけど、今が幻かもしれないことより、
そう怖がることで、
今思い描く未来が幻になってしまうことのほうが、嫌だ。



だから、愛の言葉も、キスも、
理由も、全部ひっくるめて受け止めよう。
未来への糧にしよう。






一緒にいるのが当たり前。
そんな人がいることは、家族も含めて、
幸せだと思うよ。






あなたを愛しいと思える限り、
あたしはあなたを諦めきれないだろう。
大人の恋愛なんて、
まだまだ出来ない、ね。







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いまいち文章のカンが戻ってきていないようです…。
だけど、少しずつ復活しようと思います。

また、よろしくお願いします。


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