under one umbrella

2005年05月09日(月) それだけで。 






「ねぇ陽ちゃん。

あたしあなたのこと、すっぱり諦める。

ないものねだりって言葉がしっくりくるし。

これからも好きだけど、

あなたを手に入れようって思うことは。

あなたの1番になろうってすることは。

あなたに愛されようって思うのは。やめる。

それが無理だって、今までもずっと言われてたのに、

何とかなるかも、
だってこんなに好きなんだし、
未来なんてわかんないしって。

足掻いて、しがみついてただけだから」








そう言おうとかけた電話。
寺島の話を聞いてたら、言う気がなくなってきた。

寺島のテニスの話は、
以前より大分理解しやすくなっている。
それは話を聞き続けたことと、
あたしがテニスを始めたことがあるんだろう。
もっと上達したらもっとわかるよ、と寺島は言った。

他の誰のどんな話より、安心する。
どうしてだろう。

聞きながら。
わけのわかんない宣言なんてやめようと思った。
こんなこと。
わざわざ言わなきゃいけないことでもない。




心が敏感になってるのか、
寺島の毒舌に鋭く突かれる。
いつも以上に痛くて、
あぁ、今は病気だなぁと思う。



でも笑い合えたから。
寺島の笑い声を確認できたから。
そのうち癒えるでしょう。
それだけで。





そうしてひとまず。
傘は寺島にあげて。
自分の傘を取りに行こうと思います。

相合傘できるほど、あたし細くないしね。



傘のある場所までは、雨だけど。
濡れても歩き続ければ、タオルと傘のある場所まで、
いつか辿り着けるでしょう。
どんな柄の傘か、わかりませんが。


辿り着いたら、戻ってきます。
ここはあたしの、再出発の場所。







ここは、あたしの特別な場所だから。
その場限りの感情を流す場所には出来ません。
だから休止。

大事に残したい想いが芽生えるまで。




では皆様。
ご愛読、本当にありがとうございました。
必ず、必ず戻ってきますから。
そのときまた。よろしくお願いします。





まりあ





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