家に帰る道、飼い猫があたしを出迎えた。 じっと座っていて、 「帰ろうか」 とあたしが言って撫でると、にゃぁと応えた。 あんたはきっと、 あたし達を読めるようになったのね、と思う。
あたし達がいつもどおりに歩くとき、 猫はあたし達にどこまでもついてくる。 ついてくるね、可愛いねって言いながら歩く。 あたし達がずれているとき、 猫はあたしの帰りを待っている。
あんたはいつもあたしを迎えてくれるのね。 あたしが帰る場所はここなのね、って。 思いながら、頭を撫でて、一緒に家に入る。
今日も寺島を思いやってやれなかった。 最低だな。 自分しか見てないからそうなる。
謝り方を、よく知らない。 それは多分、あたしがまだ自分に自信がないから。
でもそれなら。 持ってみよう、少しだけ。 困らない程度に。
それがなくて寺島を失うだなんて。 バカバカしいにも程があるじゃない。 簡単に手に入るものなのに。 考え方一つで。
よし。 ちゃんと、話をしよう。
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ちょっと悲劇のヒロインぶってましたので。削除と訂正。
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