胸の痛みは、多分大きくなってきている。 冗談を冗談ととれなくなっている。
…あぁ、馬鹿みたい。
藤原のメールに、気づいてなかった。 藤原が家まで来てくれて、わかった。 何で気づけなかったんだろう。
多分、気分転換に映画を観てたときだったんだろう。
漫画を貸す約束をしていたんだった。 あぁそうだった、と思い出して、 とりあえず5巻まで貸した。
昨日の深夜のメールを、 不注意から寺島に見られたよ、と言ったら、 笑ってた。
あの人は少し拗ねて見せてたけど、 どうなんだろう。気にしてるのかな。 わかんない。
そう、気にしてないんじゃないかな。 拗ねて見せる余裕があったから。
言いながら、ちょっと悲しかった。
あの人はからかいながらあたしの涙をぬぐってた。 ほんの少しの、雫だったんだけれど。
この人とこんなに距離が近いのは、 ただあたしが近づいてるだけなんだと。 そう思ったら、少し。
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