under one umbrella

2005年02月25日(金) 心配、しないで。



午前3時。

それは、あたしの時間。
いつも1人で、キーボードを叩いている。
または、秘密の時間として心を癒している。


携帯が鳴るのは遅くても2時頃まで。
だからあたしは安心して静かに、
隣に眠る猫を撫でながら、
マウスを動かす。



あたしの夜はいつもこうで、
昨夜もそうあるはずだった。





が、昨夜は。
とても不似合いな着信音が鳴った。
時間を確認する。

…午前3時10分。
パソコンの時計も合ってる。


とりあえずかけ直してみる。
出た相手は、自分からかけてきたわりに、
とても眠そうな声をしていた。




「起きてたの?」


「起きてたよ」


「何してたの?」


「パソコン」


「ふ〜ん」


「陽ちゃんは何してたの?」


「眠れなくて…」


鳴ったのは、
寺島専用の着信音だった。






やがて、
眠い声ではなくて、悩む声だと知った。
寂しがる声だと知った。


寺島の寂しさが、あたしで埋まらないのは知ってる。
だけどそれを寺島が叫ぶとき、
聞こえる位置にいてよかったと思った。
独りだと嘆くから、
そんなことないと言ってやれる位置でよかったと思った。


寺島が信じるかどうかは別だけれど、
信じなくても、
信じるまで言ってあげたい。





独りじゃないよ。
あなたには血の繋がったご両親がいる。
血の繋がった兄弟がいる。

あたしがいる。
藤原や茶原や竜崎君がいる。

あなたの大学にも友達がいる。



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後は、あなたが信じるだけ。
信じて、心を開くだけ。


皆きっと、受けとめてくれるから。
心配、しないで。





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