under one umbrella

2005年01月26日(水) 兄さんへ。1


ねぇ、兄さん。
今すぐにでもメールを打とうかと思ったけど。
きっと忙しいし、
「またあいつの話か」
とかって呆れられるだろうから、やめとくね。

「まだ続いてんのか」
って怒られるだろうし。


けど、苦しいから、
兄さんに宛てて書くね。
そしたら、少しは、楽。





あのね。


「まりあがいてくれるから、

テニスに打ち込めるのかもしれない」

って、言ってもらったの。


素直に、嬉しかったんだけど、
本当の意味は微妙に違って、


「まりあが、

彼女もどき(?)みたいなことしてくれるから、

彼女探しをしなくてよくて、

だからテニスに打ち込めるのかなって」



そういう意味だったんだって。




直後は、そう悲しくなかったんだけど、
よく考えたら、

立派に『利用宣言』なのかなぁって。
思っちゃって。





それとは別にね。

ボクの大学の女の子と、カラオケ行こうって話、
してたんだ。
別に合コンってわけじゃないんだけど。

竜崎君や、藤原の歌を友達に聴かせたかったし、
大学の女の子の可愛さを、自慢したかったの。

そしたら、寺島がすっごく乗り気でね。
その話しかしないの。





大学に、桃子ちゃんって友達がいてね。
可愛くて、ボクがいつも自慢してるの。
その子に会いたい、友達になりたい、って、
結構前から言ってた。

今回、カラオケがちゃんと計画されれば、会えるから、
楽しみだったみたい。





でも、
話を聞いてるうちにね、
すごく、寂しくなって。


彼女じゃないんだから、
その寂しさを訴える権利なんかないのに、
最近苦しかったせいか、
つい甘えちゃったんだ。

つい、我が儘言っちゃったんだ。





「昨日のメール、『利用宣言』でしょ?」

って、聞いちゃった。





あたしの話をして欲しかった。
そうじゃないよ、って、
その話を繰り返して欲しかった。
そんな、我が儘だった。




最初は否定してくれてたんだけどね、
そのうち、


「わかったよ、もうまりあに手出さないから」


って言い出して、傍に近づいてくれなくなった。

そんな方向に発展したことが悲しくて、
少し泣いたけど、
このときはまだ、大丈夫だった。




それでね。

メールで謝ろうと思ったの。
だから、メールして。


そこでまた、カラオケの話になって。
けど、今度は普通にしようと思って。
普通に、接したの。


そしたらね。


「これで都合の良い彼女じゃなくなるでしょ?」


ってメールが来たの。




どういうこと?って思って、
そう返信したら、



「俺は、桃子ちゃんが好きです。

だから、あなたには手を出しません」


って、来たの。





嘘だって、わかってたよ。
会ったこともないのに、好きになるわけ無いじゃんね。
明らか過ぎる、嘘だよね。


その明らか過ぎる嘘で、
どれだけボクが傷つくか、どうして思ってくれないんだろう?
嘘の内容じゃなくて、
嘘をつかれたこと、明らかに故意に傷つけられたこと、


そのことが、悲しくて悲しくて。




その悲しみから逃れるために、



「ばいばい、陽ちゃん」



って、言った。








次の日記に続きます。
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