大事なもの、2つ。 どちらも大変で、あたしは、 そのうちパンクするんじゃなかろうか。
ってくらい、頭が混乱している。
大学を、やめようと考えてて。 違う勉強が、したくてしたくて。
今の大学に居た方が、確実に楽で。 かけがえのない友達も居て。
けど、その間の学費がどうも勿体無いように思えて。 在籍し続けても、 行かない自分は目に見えてて。
そう考えつつ、 いろんな可能性が、頭をかけめぐる。 いろんな道が、頭に浮かぶ。
楽な道。 きつい道。 楽でも安全な道。 きつくて先が見えない道。
どれがあたし? どれを選ぶべき? 誰も教えてくれないよ。
「好きにしろ。
俺が知るか」
寺島のそのセリフも、 当然としか、思えない。
あたしの人生だから。 あたしが選ぶ道…
どうしてあたしはあのとき、 涙をこらえきれなかったんだろう。 寺島にそう言われたとき。
何が悲しかったのか。
涙を確認したとき、 寺島に申し訳なくって。
こんな重大なこと。 人に相談する方が、おかしいんだよ。 相変わらず、甘ちゃんのあたし。
「ごめん。
重たい話、して」
苛々してた、寺島は。 何にもなかったように、あたしを誘って。
何も考えたくなくなったあたしは、応じて。 キスをしなかったことにも、気づかなかった。
寺島の苛々は、結局収まらなくて。 あたしは、癒せない自分に、腹が立つばかり。
何をすれば、 どんなあたしでいれば、 寺島の役に立てるんだろう。
わからない、と目を閉じると、 大学のことを思い出す。
大事な、将来。 大事な、寺島。
そんなわがままを、 たまには言ってみたいよ。
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