厄日としか言えないような1日を過ごした。 荒みきった心を、 誰にも言えない方法で癒した。
秘密。 その言葉の響きの甘さに、また癒された。
私は、 自他共に認める、メガネフェチである。 偉そうに書くことでも、ないんだけれども。
しょっちゅう、
「あ、カッコいいメガネ君がいる♪」
とか言って大学で笑っているので、 寺島とのプリクラを見せると、
「またメガネだ」
とか何とか毒づかれる。
愛しい寺島君は、メガネ君なのです。
しかしながら寺島を好きになったのは、 メガネだから好きになったわけじゃ、ない。
そう寺島に言うと、
「じゃぁ俺のどこが好きなんだ」
とか聞いてきて、答えに困ったので、 もう言わないことにしている。
君を好きな理由なんかないんだってば。
確かに。 寺島をカッコいいと思う気持ちは、ある。 でも後付け。
もし寺島との出逢いが、 例えばただ、電車で毎日乗り合うだけの人だったとしたら、 私は、あ、メガネかけてる人、という目で見るだろうけど、 「カッコいいメガネ君」の範囲には入らないのだ。
と言うと、他の人は皆意外な顔をする。 盲目的に寺島に恋する私しか、知らないからかな。
寺島のこと好きだから、カッコよく見えるんです。 でもこれって、寺島にしてみれば、 結構傷つくのだろうな。
メガネを外した寺島の顔には、大分慣れたけど。 外していた寺島が、メガネをまたかけると、 ドキリとする。
そのギャップが好き。
意外に長い、睫毛が好き。 その下にある、 全てを見透かすような真っ直ぐな瞳も好き。
そうだね。 後付けの好きなところなら、 1日かけてでも話してあげる。 それを全部あなたの前に並べきったら、 あなたは満足するかしら?
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