市丸、と書いていた奴から、改名希望が出たので、改名。 しかしそれでなければ何でもいいらしいので、 藤原に決定。
理由はいろいろ長いけど。 あまり書くと、「おせっかい」とかなんとか言われそうで、 自粛。
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藤原や竜崎君が来て、 和やかな雰囲気になっても、 寺島はあたしを見なかった。
むしろ。 言葉は冷たかったし、まともな反応はないし。 あたしの発言権は、ほとんどなかった。 お酒を飲んでいたから、 そんなに気には、ならなかったけれど。
夜が更けるに連れて、 盛り上がりを求めて、あたしの部屋に行った。 親御さんが厳しい寺島の家は、 何となく気にしてしまうらしい。 ついでに、無くなっていたお酒を買い足して、 飲み直そうってことになった。
買出しのメンバーは、揉めた挙句、 あたしと寺島以外の3人。 気まずくて気まずくてしょうがなかったけど。 そんなこと訴えられるわけないし。 大人しく、部屋に行った。
…それから、どんな会話を交わしたか、 細かいことは覚えていない。 細かい動きも覚えていない。
寺島の家から、あたしの部屋へ向かう途中、 少し話をした。 「昨日のメールは、皆で送ってたの」 って、言った。 「知ってるよ」 って、直ぐ返事が返ってきた。
「怒ってるの?」
「怒ってない」
「じゃあどうしてまともに話してくれないの」
「別に」
「…」
「どうでもいい。そんなことは」
理由になってない。 どうでもいいなら、 何もなかったように振舞えるはず。 呆然としていると、いつのまにかあたしの家に着いていて、 誰が買出しに行くかの論議が交わされていた。
そんな後の、2人っきりという状況だったから。 甘い雰囲気なんてあるわけない。 だから思い切り、普通に振舞って。 漫画を読もうとした。
気がついたら、漫画は奪われて。 あたしは押し倒されて。 寺島の顔がすぐそこにあった。 冷めた目だった。
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