under one umbrella

2004年06月21日(月) 幸子。#2

幸子とのすれ違いを感じたことは、もう一つあった。
それは、「外見」のこと。




ぶっちゃけた話、私も幸子も、外見がよくない。
中学校の頃、男子に差別されたりしていた。
中には、女子もいた。
変なあだ名もつけられてた。

私には、寺島がいた。茶原がいた。
部活の友達や、クラスの女友達がいたから、
ほっとけた。

幸子にいなかったわけじゃない。
友達は私より多かったと思うし、男友達も、いた。
でも、私より傷が深かった。

多分、彼女にあって私にない、体験があるからだと思う。



中学2年のとき。
幸子には、3年想った人がいた。
名前を前川という。


前川は背が小さくて、「可愛い」タイプの男だった。
バカだけど、それをしゃべりの面白さでカバーしていた。
いつも周りに人がいて、笑い声を響かせていた。

幸子は、小学生の頃から彼を好きだった。
同じクラスで、仲が良かったと言っていた。


チビなのにバスケ部で、毎日学校の周りを走っていた。
それを楽器片手に、4階の窓から2人で見下ろしていた。
「可愛い♪」
と幸子は、笑顔だった。



けれど私は、心から応援することは出来なかった。
前川を含む男子のグループが、幸子にあだ名をつけていることを知っていたから。
だから前川を、人間的に好きになれなかった。

私が前川を好まないのを、幸子は知っていたのかもしれない。
バレンタインに告白することを、教えてくれなかった。
その結果も、教えてくれなかった。
友達が教えてくれるまで、私は知らなかった。



↑VOTE.



前川のことは、今でも許せない。

幸子は、私に何も言わなかった。
泣きもしなかった。

泣けもしなかったのかも、しれない。



 < 過去  INDEX  未来 >


まりあ [MAIL] [BBS]
thanks for WhiteGarden


My追加