日記を読み返して、気づいた。
「気安さ」は、発生したんじゃなく。 戻ってきたモノだった。
からかい合って、笑い合う私たちは。 中学3年生の頃の私たちだった。
懐かしい。 気づけば、もう4年目。 寺島を好きになってから。
あの頃は、寺島は今井を見ていて。 今井のために、必死になってて。 塾さぼったりして。 そんな寺島を見るのが、辛くて、辛くて。 傍にいた女友達に、励まされたりしたっけな。
あんな恋は初めてだった。 本物の恋だった。 その恋を失ってもこの人を失いたくないと思ったのも、初めてだった。
…。 想いはちっとも変わっていない。 こんなことを言ったら、寺島は呆れるだろうか。
「あなたが、眩しかった」
「目の錯覚だ」
淡々とあなたは言ったね。 まだ、忘れられない。
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