あの3つの宣言をした寺島の声を、私はまだ忘れられない。 それでもあなたは、私にキスをすると言うの? あまりにも、勝手だよ。 私が傷ついたとか、思ってないの? そう思ったけど。 泣けもしなければ、怒れもしなかった。
確かに周囲は、戻ってくるって言ってた。 親もそう言ってた。 私だって悪い気しなかった。 好きだったから。 だけどね、寺島。
周囲よりも、 親よりも、 あなたを信じてた。
好きだったから。
もう2度と戻ることはないと言ったあなたを。 過去は忘れて、新しい恋に生きると言ったあなたを。
信じて、いたんだよ。
だから私も忘れようって。 あなたが選んだこの道を、壊さないようにって。思っていたの。
とてもとても自己中だけれど。 裏切られたように思えて。
ただ、受け入れた。 抵抗もしなければ、反応もしなかった。
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