under one umbrella

2003年10月26日(日) まさか本当にいるとはね。

…おや?
あの、後ろ姿は。

「…みっちゃん?」
「…え?!ここで何してるんだ?」
「勉強。あ、これが宮島君」
「そうなの?初めまして」
「こちらが、圭ちゃん」
「(ああ、市丸が惚れてるっていう…)どうも」
中間テストの期間中。
あたしと圭と、もう2人の友達とで、
大きな、街の図書館に学校から直接来ていた。
その図書館に近い高校に通う宮島に。
会えないかなぁなんて期待したりもしていたけど。
まさか本当にいるとはね。

市丸の想い人、圭のことは。
仲間内では話題の的。
でも宮島と竜崎君には、プリクラでしか見せたことがなかったから。
ちょうどよかったな、と思った。


「ね?圭ちゃん可愛かったでしょ」
圭と別れて、宮島と2人で帰る道。
何年ぶりかな、この2人で帰るの。
「よくわかんなかったよ」
「えー?」
「だってさ、顔に『市丸の好きな女』って書いてあるんだもん」
「(笑)」
楽しかった。
寺島のことも話した。
数学の試験で92点とったって聞いて、驚いた。
「えー!!すごーい!!」
「…。一夜漬けだぞ。まぐれまぐれ」
寺島なら、『だろ?』って返ってくる場面。
ちょっと拍子抜けして、でも新鮮だった。
寺島のこと、本当にすごいと思っていたから、
自慢を聞くのが辛かったわけではないのだけど。


町の橋を渡りきると、宮島の家はすぐそこ。
あたしの家までは少し距離がある。
でも楽しかったから。1人でも寂しくないと思えた。
「あ、ここで分かれだね。じゃあね、みっちゃん」
「おう……え?送っていって欲しいって?」
「えっ?」

何?この漫画みたいな展開。



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